10/26 ブルームバーグ 記事
9月の米新築住宅販売:前月比5.3%増-価格は前年比10%下落(2)
10月26日(ブルームバーグ):米商務省が26日に発表した9月の米新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年率)は、前月比5.3%増の年率107万5000 戸と、2カ月連続で増加した。ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査では、104万戸(予想中央値)が見込まれていた。8月の新築住宅販売は102万 1000戸と、速報の105万戸から下方修正された。
また、販売価格中央値は9月に前年比9.7%低下し、21万7100ドルと、 2004年9月(21万1600ドル)以来の低水準になった。9月の低下幅は1970年 12月(11.2%)以来で最大。
住宅値下がりや建設業者による販売促進策で買い手の購買意欲が喚起され、住宅市場の減速がさらに悪化することはないとエコノミストらは見ている。バンク・オブ・アメリカ(BOA)のインベストメント・ストラテジーズ・グループのチーフエコノミスト、リン・リーサー氏は、「住宅市場は最悪期を脱したようだ。住宅建設業者は販売奨励制度を積極的に展開し、売り上げ拡大に成功しているが、そのコスト負担は大きい」と語った。
9月末の住宅在庫は55万7000戸と、3月以来の低水準。新築住宅の在庫比率は9月に6.4カ月分と、7月の6.8カ月分から縮小した。
9月の新築販売件数は前年同月比では14%減少した。また、建築が完了し、売却待ちの住宅件数は9月に前月比6000戸増えて15万7000戸。
NY金相場が3日続伸、ドル安ユーロ高で代替資産としての金に妙味
10月26日(ブルームバーグ):26日のニューヨーク商品市場では、金相場が3日続伸。ドルが対ユーロで下落したため、代替資産としての金の投資妙味が高まった。
ドル建てで取り引きされる金は、ドルと反対方向に動くケースが多い。ドルはこの日、欧州の金利が米国よりも速いペースで上昇するとの観測が広がり、3週間ぶりの安値に下落した。年初以降、ドルはユーロに対して6.6%下落しているが、金は16%上昇した水準にある。
イーグル・フューチャーズのトレーダー、ニック・ルッジエロ氏は「とレーダーは金の動きを見極めるため、主にドルに注目している」と述べ、「ドルが下落すれば、金は上昇する」と語った。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のCOMEX部門の金先物(12 月限)は前日比9ドル(1.5%)高の1トロイオンス=599.80ドルと、終値では1週間ぶりの高値。先物は過去2営業日で1.4%上昇していた。
米金融当局が前日、インフレが落ち着く可能性があるとの認識を示したことから、トレーダーの間では、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測が後退した。一方、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は26日、インフレリスクは「2007年も引き続き高くなるだろう」と述べており、ECBによる来年の利上げ観測が強まった。
米国株:続伸、S&P500種は月間ベースで03年以来最も堅調な展開
10月26日(ブルームバーグ):米国株式相場は続伸。S&P500種株価指数は月間ベースで、2003年以来最も堅調な推移となっている。原油相場の反落で、消費者支出に最も敏感な企業の見通しが改善した。
ケーブルテレビ(CATV)事業者最大手のコムキャストは予想を上回る業績が好感されて上昇。ナスダック総合株価指数はこれにけん引されて、5年ぶりの高値を付けた。米医療保険3位のエトナは06年通期の営業利益見通しを引き上げたことを強材料に過去4年間で最大の上げとなった。
ファースト・ソース・インベストメント・アドバイザーズで25億ドルの資産運営に携わるジェーソン・クーパー氏は、「原油相場が下落する時には、投資家の心理に変化がみられる」とし、「投資家の買いが戻り始めている」と述べた。
ニューヨーク時間午後4時過ぎ現在の暫定値によると、S&P500種株価指数は前日比6.86ポイント(0.5%)上げて1389.08。月間ベースではこれまでのところ4%高と、03年12月以来最も堅調な展開。
ダウ工業株30種平均は同28.98ドル(0.2%)高の12163.66ドル。4営業日連続で最高値を更新した。ナスダック総合指数は同22.51ポイント(1%)上昇して2379.10。これは01年2月以来の高値。
メディアや通信関連企業が相場の上げを主導した。コムキャストの好業績が強材料。ラジオ局運営大手のクリア・チャンネル・コミュニケーションズが上昇。同社は25日、身売りを検討していることを明らかにした。携帯電話サービス大手のスプリント・ネクステルも、加入者数の減少は鈍化するとの見通しを示したことが好感され、買いが膨らんだ。
欧州株:下落、製薬株はこの2年で最大の値下がり-シェルは上昇
10月26日(ブルームバーグ):欧州株式相場は総じて下落。製薬株がここ2年で最大の値下がりを記録した。新薬の発売延期が企業業績を損ねるとの懸念が広がった。英アストラゼネカやグラクソ・スミスクラインが安い。
一方、電話大手の仏フランステレコムは四半期売上高がアナリスト予想を上回り上昇、電話株全般を押し上げた。ノルウェーのテレノールも四半期利益が市場予想を上回ったのが好感され、買いを集めた。石油大手の英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルや電力網敷設大手、スイスのABBは好決算を手掛かりに上げた。
ダウ欧州株価指数は、前日比0.2%安の355.46。同指数は一時、0.5%高まで上昇したが、その後騰勢を失った。ダウ欧州50種株価指数は同0.3%下落。ユーロ圏の50銘柄で構成するダウ・ユーロ50種株価指数は0.2%値上がりした。
午前に上昇していた欧州株式相場は、米国で発表された経済統計を手掛かりに押し下げられた。米商務省が午前に発表した9月の製造業耐久財受注額で、変動の大きい輸送用機器を除く受注の伸びは予想を下回ったほか、新築住宅の販売価格中央値は前年比で1970年以来最大の落ち込みを記録した。
製薬株が安い
ダウ欧州株価指数に採用されている銘柄のうち、製薬株で構成される株価指数は2.3%安と、2004年11月以来最大の値下がりだった。
アストラゼネカは7.6%安。脳梗塞治療薬の開発中止と、売り上げ上位5薬品のうち3品の売上高がアナリスト予想を下回ったのが嫌気された。
グラクソ・スミスクラインは4%下落。グラクソは来年4月までに、米規制当局に子宮頸(けい)がんワクチン「サーバリックス」の認可を申請する計画と発表したが、当初の計画より4カ月遅い。
スイスのバンケで159億ドル相当の資産運用に携わるジェローム・サップ氏は、「製薬会社にとっては、研究の質と新薬を市場に売り出せるかどうかがすべてだ」と語る。
フランステレコムは3.6%高。スペインの携帯電話会社を買収した同社の 2006年7-9月(第3四半期)売上高は8.9%増加した。また、テレノールは7%上昇。ダウ欧州株価指数のなかで値上がり率最大だった。同社の7-9月期は前年同月比で72%増加した。
イタリア製造業最大手フィアットは7-9月期純利益が76%減少したのが嫌気され、3.3%下落。
酒類メーカー世界2位の仏ペルノ・リカールも7-9月(第1四半期)売上高がアナリスト予想を下回り2.3%下落した。
英独仏の株式指標
英国のFT100指数は前日比29.80ポイント(0.48%)下げて6184.80。FTオール・シェア指数は同10.47ポイント(0.33%)安い3168.27。
ドイツのDAX指数は同19.27ポイント(0.31%)上げて6284.19。HDAX指数は同9.01ポイント(0.28%)高の3229.47。
フランスのCAC40指数は同11.51ポイント(0.21%)高の5433.79で終了した。
海外勢、4週連続買い越しも金額は縮小に-個人は売り、10月3週需給
10月26日(ブルームバーグ):東京証券取引所が26日に発表した10月第3週(16日-20日)の投資部門別売買動向によると、東京、大阪、名古屋3市場の1・2部合計で、海外投資家は金額ベースで1996億円を買い越した。買い越しは4週連続。一方、個人投資家は4週連続の売り越しで、金額は2100億円。海外と個人の投資姿勢の違いが引き続き確認された。
第3週の日本株相場は、日経平均株価が週間で0.7%高と4週連続の上昇。米国のダウ工業株30種平均が初めて終値ベースで1万2000ドルを突破し、欧州、アジアの主要市場も軒並み年初来高値を取るなど、世界的な株高の流れが支援材料になった。ニューヨーク原油相場が調整の色合いを強め、主要国の金利上昇観測は後退。こうした中で、日本株の出遅れを指摘する向きは多く、同週後半から始まった日本企業の中間決算発表に対する期待感も、投資資金の流入を促した。
ただ、営業日が4日だった前の週の買い越し額1461億円と比べれば増えているが、9月最終週、10月1週に3000億円を超す買い越しを記録した状況と比べればおよそ半分の水準にとどまり、海外勢買いの勢いは徐々に緩やかになってきたようだ。
市場関係者の間では、10月3週の日本株高について「国内の企業業績への期待、海外株高の流れがあった。ただ、米国株の上値のポテンシャルは限られてきている。出遅れを材料に外国人は買ってきたが、日経平均のPERが21倍に対し、米国は15倍、欧州は12、13倍で、上値にはバリュエーションの壁がある」(三菱UFJ証券・藤戸則弘投資情報部長)との解説が聞かれ、企業決算を受けて日本のPERが下がるかどうかに投資家の視線は集まっている。
一方、個人投資家はこれまでの相場下落で痛手を受けているもようで、動きが鈍く、日経平均が5月以来の1万6700円に戻る過程で、損益の確定できる銘柄への売り圧力が高まった。
個人の現金、信用取引別の差し引き売買状況を見ると、現金は2509億円の売り越し、信用は410億円の買い越しだった。
このほかの主体別の売買動向では、証券自己が737億円、投資信託が196億円、事業法人が839億円のそれぞれ買い越し。一方、信託銀行は629億円、証券会社が54億円、生保・損保が100億円、長銀・都銀・地銀等が30億円、その他金融機関が813億円のそれぞれ売り越しとなった。