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10/25 ブルームバーグ コラム

【米経済コラム】賢い弱気派より強気派が稼ぐ理由は?-C・カリアー
10月24日(ブルームバーグ):投資市場が何となくうまくいっているときというのは、多くの人が奇妙な行動をしているものだ。

  世界中がきしんでいる今、ダウ工業株30種平均が1万2000ドルを超えて最高値を付けている「あきれた米株式市場」とやらを見てみるといい。債券市場の奇行ぶりも見てきたことだろう。今年半ばから相場は上昇、利回りは低下した。誰もが相場は反対方向に動くべきだと認識していたにもかかわらずだ。

  だが、これはよくある話だ。金融市場の弱気派はどう猛で悪賢い生き物で、強気派は単純な無骨者だ。従来型の投資信託の多くが「強気一本やり」であるのに対し、ヘッジファンドは両方の面を持って市場に参加することができる高度な知識によって尊敬されている。

  こうした市場参加者は永遠に存在し、変わる可能性は低い。それどころか、情報の急増が続くなか、懐疑的見方と実際的知識とを同一視する傾向は強まる一方だ。イメージによって現実が公正に扱われていないということだ。先日、シカゴに拠点を置く調査会社、モーニングスターが公表した投信の運用成績に関する表を見ていて、その一例に気付いた。株式、債券、バランス型などのファンド68カテゴリーのうち67が先週末までの過去1年、過去3年、過去5年についてプラスの運用成績を上げている。

弱気派の惨敗

  専門知識の限られた強気派に好まれるタイプで、分散投資が大きく進んだ「モデレート・アロケーション・ファンド」の過去1年間のリターン(投資収益率)はプラス13%。過去3年間では年9%、5年間では年6.4%のそれぞれプラスだった。唯一運用成績がマイナスだったのは、相場下落を見込む弱気ファンドで、過去1年間で12%、3年間で年9.6%、5年間で年11%のそれぞれマイナスだった。

  対象にしている期間が、1980年代や90年代のように弱気派に極めて厳しい時期だったというわけではない。2000年代はハイテクバブルの崩壊や01年9月 11日の同時テロなどで始まっている。弱気派に対し、混乱の2000年代でなぜ利益を上げられないのかと聞いても、公正さは欠いていないだろう。現在のような時代でも、強気派はその時代の風を味方につけて航行している。難しい点は、ある程度妥当な批判的見方をとりながら、強気派といかに手を携えていくかということだ。

現実的な予想

  単純で、恐らく役に立つ答えは「現実的な予想」という戦略の中にある。この言葉は、390億ドル(約4兆6500億円)規模のデービス・ニューヨーク・ベンチャー・ファンドを運用するクリス・デービス氏とケン・ファインバーグ氏から借用した。デービス・セレクテッド・アドバイザーズが運用する旗艦ファンドである同ファンドは、今年最も売れているファンド10数本のうちの1本で、1-8月の資金純流入は34億ドル(ファイナンシャル・リサーチ調べ)。

  両氏はウェブサイトで、株式市場のリターンは「2つの点からのみ生まれる」とし、「株価収益率(PER)の上昇と企業収益の拡大だ」と説明している。

  金利がすでに極めて低い事実からして、PERの上昇は現時点では抑制される公算が大きい。債券と株式が投資家の資金を取り合うなかで、PER上昇のための理想的な環境は金利の低下だ。企業収益は近年、まれにみる力強さを見せており、一部の尺度を基にすると利益率は50年来の高水準に達している。両氏は「これは朗報に聞こえるかもしれないが、そうではない」とし、「今後に目を向ければ利益率の下押し圧力は避けられないとみられる」と指摘する。

  弱気派にとっては、これは株式の敬遠を継続する理由になりそうだ。強気派にとっては、高まり過ぎた期待が正常な状態に戻ったことを意味するだけかもしれない。両氏にとっては、株式投資によって年に約7-10%というまずまずのリターンが得られることを示唆するものとなっている。

  そういえば、それはまさしく今年の米株式市場で見られてきたことだ。投機的熱狂を大いにかき立てるほどではないが、問題含みの株式への投資では十分なリターンが得られた。

  これは、「現実的な予想」という投資へアプローチの仕方につきもののまずまずの利益を示している。ときにはうれしい誤算もあり、その頻度は弱気派が認めるよりも高い。(チェット・カリアー)