10/20 ブルームバーグ コラム | 20年間で5000万作る資産運用方法を考える・・・>゜)))彡◆

10/20 ブルームバーグ コラム

【米経済コラム】25日のFOMCはFF金利据え置きへ-J・ベリー
  10月20日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)は来週開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25%で据え置くことだろう。金融当局者らはコアインフレ率のゆっくりとした低下傾向が続きそうだと考え、それに満足しているからだ。FOMCでの金利据え置きは3回連続となる。それ以前は17回連続で利上げが実施された。

  多くの当局者は最近の講演で、インフレ率が高過ぎ、それが向こう数カ月で低下するよりも、むしろ加速するリスクが依然としてあると指摘している。こうした発言を受け、投資家らは今後2、3カ月で利下げ局面が始まるとの見方を後退させた。

  4日のニューヨークでの講演で、コーンFRB副議長は「コアインフレ率が向こう1年前後で緩やかに低下する見通しが強まっているが、この見通しを取り巻くリスクは私には不釣り合いに思える。インフレ見通しの重要な上振れリスクは中央銀行に警戒継続を求めるものだ」と語った。

  とはいえ、コーン副議長もそのほか多くの当局者も現在の金融政策には満足だ。なぜなら、経済動向の展開次第で政策金利の引き上げも、引き下げもできる柔軟性が与えられているからだ。

  次の動きがどの方向なのか、そしていつなのかは住宅市場の減速の広がり次第だろう。住宅相場の弱さ、そして自動車販売・生産の減少と米貿易赤字の拡大により、米国の7-9月期経済成長率は恐らく年率1-2%へ低下したのではないか。

            イエレン総裁は満足

  米サンフランシスコ連銀のイエレン総裁は16日の講演で、「経済は潜在成長率を下回る局面に入ったようだ。これが続けば、私はその公算が大きいと思うが、これまで目にしてきた労働および生産市場でのひっ迫感は幾分緩和され、次第に潜在的なインフレ圧力をなくす方向に向かうだろう」と語った。その上で、これが8月のFOMCでの利上げ休止決定に同総裁が満足しているひとつの理由だと説明した。

  その上でイエレン総裁は、「私はインフレ鈍化を願っている。現在の政策はそのような結果をもたらし、かつ経済活動のリスクに適正な考慮を与えられる好ましい状況にあるのではないかと思っている。17回連続利上げによる影響のすべてはまだ表れていない」とも述べた。さらに、政策金利の現行水準は十分な高さにあり、「現在の金融政策は緩やかな引き締めの範囲内にあるとみられ、適切なようだ」と語っている。

  もちろん、FOMCに参加するすべての当局者がインフレ見通しに楽観的なわけではない。ラッカー・リッチモンド連銀総裁は過去2回の会合で金利据え置きに反対し、0.25ポイントの利上げを主張した。9月20日開催のFOMC議事録によれば、同総裁が据え置きに反対したのは「インフレ率をより急速に引き下げるために、さらなる引き締めが必要だと信じた」ためという。

  ラッカー総裁以外の多くの当局者は、もう少し忍耐力があり、最重要事項は急速な物価安定よりも、物価安定路線に乗っていることだと考えている。9月20日の議事録でも、「予測には不透明感があり、景気動向が予想よりも大幅に停滞する可能性も完全には否定できない」としている。

             住宅市場の不透明感

  特に今後の住宅市場動向は予想し難い。9月の住宅着工件数は前月比5.9%増と予想を上回ったものの、先行指標となる同月の住宅着工許可件数は同6%以上の減となり、前年同月比では28%の減少だった。

  住宅建設は年内と来年は景気の足を引っ張ることとなるだろう。売れ残った新築住宅の在庫規模が大きいためだ。サンフランシスコ連銀のイエレン総裁も、フェニックスやラスベガス近郊の新区画の一部で売れ残りが8割を超えたとの建設業者による情報を紹介している。

  ただ、当局にとって鍵となるのは、住宅価格の下落が消費活動の低下につながるか否かだ。今のところ、住宅市場の影響が経済全般に及んだ証拠はない。

  一方、原油や天然ガスを含む商品価格は全般に下落しており、これは当局者を勇気付ける材料だ。9月末での1年間のコア消費者物価指数は2.9%上昇。ただ、ガソリン価格などの下落で、消費者物価指数全体の上昇率は2.1%にとどまった。

  商品価格の低下はインフレ期待を落ち着かせる可能性もある。同価格の下落は世界の需給がより良く均衡することを示しているかもしれないからだ。金融当局からみれば、今のところまずまずというところだろう。(ジョン・ベリー)