10/18 ブルームバーグ 記事
日銀議事要旨巡る円高、当局の意向に関心高まる-円キャリー記述なし
10月18日(ブルームバーグ):外国為替市場で金利が低い円を売って高金利通貨で運用する「円キャリートレード」が未曾有の規模に膨らんでいることに対し、徐々に警戒感が広がっている。日本銀行が監視強化との一部報道や金融政策決定会合の議事要旨公表を通じて、行き過ぎた円安は好ましくないとする通貨当局の意向に対する関心が高まってきた。
18日早朝、円相場は1ドル=118円38銭、1ユーロ=148円51銭まで円高が進んだ。高金利通貨の代表格とされるニュージーランド(NZ)ドルに対しても一時、1NZドル=78円37銭前後に上昇した。きっかけは18日付の日本経済新聞朝刊。日銀が円キャリートレードの調査を強化すると報じた。8月の金融政策決定会合で円キャリートレードを注視すべきとの言及があったことも遠因となり、円買いに火がついた。
日銀は否定、市場は議事要旨待ちに
日銀が9月13日に公表した金融政策決定会合(8月10、11日開催分)議事要旨には、「何人かの委員」が「円キャリートレードが短期金融市場の金利形成に影響を与えている可能性があることを踏まえ、正確に把握することは困難ながらも、その動向に関する情報を収集するよう努めていくことが重要であると述べた」とあった。
ただ、日本銀行の外国為替平衡操作担当、清水季子企画役は18日、日本経済新聞に載った記事について、ブルームバーグ・ニュースに対し、「日銀は日ごろから幅広く金融市場のモニターを行っており、キャリートレードについても関心を持っているが、ここに来て特定の取引を対象とした調査を始めたわけではない」と述べた。
市場では早朝の円買い後は、14時に日銀が公表する「9月7、8日に開催された金融政策決定会合の議事要旨を注視したい」(モルガン・スタンレー証券東京支店のジョセフ・クラフト為替本部長)として、様子見ムードが広がった。
9月議事要旨、円キャリーへの言及なし
14時に公表された議事要旨には、前回とは異なり、円キャリートレードに関する記述はなかった。消費者物価(CPI)の基準改訂(8月25日)直後の決定会合だったが、景気・物価とも基調判断に変化はなかった。
公表を受けて、ユーロ円先物金利は2007年3月物が一時0.74%に上昇し、8月25日の「CPIショック」直前の水準を回復した。これは、来年3月までに日銀が追加利上げに踏み切る可能性をほぼ完全に織り込んだ水準だ。債券先物や2年物国債利回りも「CPIショック」以前の水準を回復。10年物国債利回りも1.800%に上昇した。日経平均株価は議事要旨の発表後に前日比上昇に転じて高値引けした。
モルガン・スタンレー証券のクラフト氏は、「議事要旨はおおむね予想の範囲内だったが、市場が日銀の追加利上げを慎重に見過ぎていたため、その反動が出たようだ」と解説した。
当局が円安をけん制?
議事要旨の公表後、市場では前回の日銀議事要旨が円キャリートレードに言及した背景を巡る観測が盛んに聞かれた。三井住友銀行市場営業推進部の宇野大介ストラテジストは「行き過ぎた円安は好ましくないと考える財務省の意向が影響している可能性もある」と指摘する。
渡辺博史財務官は北朝鮮による核実験後の11-12日にかけて、円相場が現時点で大きく動く理由はない、行き過ぎた円の動きは常に歓迎されないなどと述べた。為替レートはファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)を反映するべきだとの見解をあらためて示し、「円相場に信認を置くことが出来るはずだ」とも語った。
尾身幸次財務相は17日午前の閣議後会見で、ロシアが外貨準備に占める円の比率を引き上げる可能性を示したことについて「各国が自分の判断で決めることだが、ロシアが円の保有を増やすことは、日本にとっては歓迎すべきことだ」との認識を示した。
三菱東京UFJ銀行市場業務部の佐原満上席調査役は、日本の景気回復や米欧とのバランスの観点から「当局は、円の実効相場が安くなっていることを気にしているのではないか」と読む。住友生命運用企画部の宮原広文・次長兼運用戦略室長は、為替相場はファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)に加え「当局がどう思うか、居心地の良い水準を探して動く特性がある」と指摘する。
モルガン・スタンレー証券のクラフト氏は、日米の政治的な観点からは「ドル・円相場のスイートスポットは1ドル=110-120円ではないか」としたうえで、ドル・円は「今後1カ月間に114-115円程度まで下落する可能性がある」と読む。ドイツ銀行の大西知生ディレクターは「円ショートの巻き戻しが起きるだろう。今月中に1ドル=117円台半ば、1ユーロ=147円台半ばまで円高が進む可能性がある」と、調整局面入りを予想する。
円ショート、未曾有の水準に
円キャリートレードがかつてない規模に膨らみ、市場関係者の注目を集めているのは確かだ。投機的な売買の指標とされるシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物取引では、円の売り越し高が直近の10日時点で12万 3598枚(1枚=1250万円)と、2週連続で過去最高を更新した。高水準の円売り持ち(ショート)は、円買い材料が増えてくると、持ち高解消の円買い戻しを誘発しやすい。
ただ、円買い戻しがいつ始まるのかを予測するのは難しい。三菱東京UFJ銀行の佐原氏は、「円買い戻しは円ショートがピークを付けてから3-4週間の高原状態後に起こることが多い。今は過去最高とはいえ、ピークアウトしてはいない」と指摘。1ドル=120円超まで円安基調が続くと予想する。
その一方で佐原氏は、「CME統計の定義が市場の話題になるほど、円ショートに対する関心は高まっている」と語る。円ショートが高水準に積み上がるなかで、さらに円を売るのは「ディーラーの感覚として、気持ち悪いのも確かだ」と警戒感も示す。
9月の米消費者物価:総合が前月比0.5%低下、コアは0.2%上昇(2)
10月18日(ブルームバーグ):米労働省が18日に発表した9月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)統計によると、CPI全体は前月比 0.5%低下(前月は0.2%上昇)した。低下幅は2005年11月以来最大。エネルギーコストの下落が主因だった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値(0.3%低下)も下回った。
一方、変動の大きい食品・エネルギーを除いたコア指数は前月比0.2%上昇し、エコノミスト予想と一致した。
バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長や他の連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーは、景気減速やエネルギーコストの下落に伴いインフレが緩和すると予想していることを明らかにしている。この日の指標では、前年比で見た場合、コア指数が過去10年間で最も速いペースで上昇していることが示された。
9月のCPIコア指数は前年同月比で2.9%上昇。CPI指数は全体で前年同月比2.1%上昇した。
9月のCPI指数内訳をみると、エネルギー価格は前月比7.2%低下し、前月の0.3%上昇から大幅なマイナスに転じた。ガソリン価格は同13.5%低下(前月0.2%上昇)。食品は0.3%上昇(前月0.4%上昇)した。
光熱費を含む居住費は前月比0.3%上昇(前月0.2%上昇)。航空運賃は同2.3%低下。医療費は同0.3%上昇した。帰属家賃は同0.3%上昇(前月 0.3%上昇)。
原題:U.S. Consumer Prices Fell 0.5%
首相:「ご自身で判断すること」-山谷首相補佐官らの靖国参拝で(2)
10月18日(ブルームバーグ):安倍晋三首相は18日夜、首相官邸で記者団に対し、国会議員の靖国神社への集団参拝に山谷えり子首相補佐官が参加していたことについて、「それぞれがご自身で判断すること」とだけ語った。
超党派の国会議員でつくる「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」(会長・瓦力元防衛庁長官)は18日朝、靖国神社に同会に所属する衆参両院議員 84人が集団参拝したと発表した。84人の中には、安倍首相の側近である山谷えり子首相補佐官のほか、副大臣2人、政務官5人がいたという。また、自民党の武部勤前幹事長、無所属の平沼赳夫元経済産業相も参加した。
また首相は、麻生太郎外相が同日の衆院外務委員会で、日本の核武装について「議論しておくことは大事だ」などと語ったと報じられていることに関しては、「外相は非核三原則については政府の立場に立つと言っており、閣内不統一ということはない。終わった議論だ」と述べた。
共同通信によると、麻生外相は同日の衆院外務委員会で「非核三原則を維持する政府の立場は変わっていない」と強調した上で、「いろいろ議論しておくことは大事だ」と述べた。
-Editor:Ozawa
9月米住宅着工:5.9%増の177.2万戸、許可件数は8カ月連続減少(2)
10月18日(ブルームバーグ):米商務省が18日に発表した9月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算、以下同じ)は前月比5.9%増の177万2000戸と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値(164万戸)を上回った。8月は167万4000戸と、速報の166万5000戸から上方修正された。
先行指標となる9月の住宅着工許可件数は161万9000戸(前月は172万 7000戸)と、8カ月連続で減少し、約5年ぶりの低い水準に落ち込んだ。
9月の住宅着工件数は前年同月比で約18%減少、許可件数は同28%の減少だった。
リーマン・ブラザーズのエコノミスト、ミシェル・メイヤー氏は、「住宅市場の減速期は、終わりに近づいてはいるがまだ終了してはいない」と語り、許可件数の減少については、「住宅着工件数がさらに減少するとの見方に一致している」と述べた。
9月の住宅着工件数のうち、一戸建ては前月比4.3%増加し、142万6000戸。アパートやタウンハウスなどの集合住宅は同12.7%増の34万6000戸だった。
日本株は急速に戻す、業績への期待-楽天急騰で相場に明るさ(終了)
10月18日(ブルームバーグ):東京株式相場は小反発。日経平均株価は午前の取引で150円近く下げる場面もあったが、午後2時30分過ぎからプラス圏に浮上。米国の主力企業の決算が落ち着いた内容となったほか、国内でも今後本格化する中間決算への期待感が投資家の下値買い意欲を刺激した。午後は、楽天などIT関連株の復調も投資家心理の改善につながり、先物への買い戻しから日経平均はほぼきょうの高値水準で取引を終えている。
需給改善期待や、米ヤフーの時間外取引での上昇などからソフトバンクが売買代金首位で大幅高。業績増額と増資観測後退が好感された東芝、航空機特需期待が高まった東レなどが上昇。JPモルガン証券が強気判断を強調したJTは年初来高値を更新し、午前は安かったトヨタ自動車やソニーなどもプラスに転じた。
ちばぎんアセットマネジメントの大越秀行運用部長は「米インテルなどの主力企業の決算が失望されるような状況ではなかったことから、企業業績への期待を背景として優良株から周辺銘柄へと買いが広がる動きが出てきた。楽天やソフトバンクが活気づいたことも、投資家心理を明るくした」と見ている。
日経平均株価の終値は41円41銭(0.3%)高の1万6653円、TOPIXは0.79ポイント(0.1%)高の1638.74。東証1部の売買高は概算で15億 9631万株。値上がり銘柄数は761、値下がり銘柄数は786。東証業種別33指数の騰落状況では、値上がり業種は17、値下がり業種が16。
IT関連の刺激で戻り強める
この日は、午前と午後で相場状況が一変した。鉱工業生産指数が市場予想を下回ったことによる米国株の下落や為替の円高傾向が響き、午前は輸出関連株中心に下落銘柄数が1300を超える展開。中でも、先週までの二極化相場の反動で、トヨタ自動車やホンダ、武田薬品工業など時価総額の大きい国際優良株に売りが目立ち、日経平均は取引時間中としては3営業日ぶりに1万6500 円を割り込んだ。
もっとも、昼にバスケット買いが入ったことで午後に入ると指数は次第に下げ幅を縮小。新興市場の楽天がリーマン・ブラザーズ証券による投資判断の引き上げを材料に値幅制限いっぱいのストップ高まで買われると、ヤフーが上昇幅を拡大。ソフトバンクも一段高で10月4日高値を上回った。
三菱UFJ証券の藤戸則弘投資情報部長は、「午後に相場が戻す大きな要因となったのは楽天の動き。楽天の上昇がきっかけとなってソフトバンクやヤフーなどのIT関連株の一段高を引き起こし、それと連動する形で株価指数先物に買い戻しが入った」と話していた。
根底には業績期待感
戻りの背景にあるのはあすのHOYAを皮切りとする7-9月期業績への期待感。日本より先行して業績発表が始まった米国では、17日にインテルやIBMなどの主力企業が業績を発表した。
大和証券SMBCエクイティ部の高橋和宏部長によると、「インテルが事前の予想を上回って時間外取引で上昇したほか、IBM、ヤフーも時間外で上昇した。米企業決算は若干日本株にプラス」との見方が出ている。米国時間18 日にはアップルコンピュータやテラダイン、イーベイなどの決算が予定されている。
三菱UFJ証券の藤戸氏は「輸出関連株が売られた午前で見ても業績を増額した東芝やスズキが上昇し、エルピーダなども高い。好業績銘柄を買おうという意欲は強い。きょうは相場の足腰の強さを確認した格好だ」という。
米CPI待ち
コスモ証券エクイティ部の堀内敏一課長は、「米国株は上昇継続後とあって、米鉱工業生産の減速が売りの格好のきっかけとなったようだ」と指摘した。その上で堀内氏は、「住宅価格指数の下げ止まりが出てきたことはプラス。きょう消費者物価指数と住宅着工戸数の重要経済指標の発表が予定されるため、東京市場では積極的な買いが手控えられている」と見ている。
ブルームバーグ・ニュースの事前調査では、9月米消費者物価指数は食品とエネルギーを除くコアで前月比プラス0.2%、同住宅着工件数は年率164万件と03年2月以来の低水準が見込まれている。
東芝やスズキが堅調
9月中間期の連結純利益が従来予想の150億円から前年同期比2.6倍の 380億円に上振れすると発表した東芝が買い先行の展開。社長がエクイティファイナンス観測に対して否定したことはポジティブとの見方も出て、午前の東証1部売買高トップとなった。 なお、18日午前の共同通信は、同社が事業会社として最大級となる総額 4000億円規模の社債を年内に発行する方針、と報じた。
海外での四輪車の販売が好調で9月中間期の単独純利益見通しを引き上げたスズキ、9月中間期の連結純利益を従来予想と比べ2.4倍の190億円に上方修正したコスモ石油も上げた。
味の素は、FCパッケージに使われる唯一の層間絶縁材料である自社開発のABFが、米インテルの旧製品在庫償却発表を受けて需要拡大が期待されるとの見方が高まり堅調。HSBC証券が投資判断を「オーバーウエート」に引き上げた愛三工業も上げた。
半導体製造装置関連などは安い
東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連の一角が下落。米インテルが17日発表した06年7-9月(第3四半期)決算は、値引きと市場シェア低下が響き、前年同期比35%減益となった。一部項目を除いたベースの利益はアナリスト予想を上回り、株価は時間外取引で一時2%余り上昇した。ただ、設備投資を抑制する方針を示しており、これが悪影響を与えた。中でも東京エレクはHSBC証券が「中立」へ格下げしたことも響いた。
このほか、自動車向け鋼材・鍛造品の販売数量が計画比で減った愛知製鋼が大幅安。メリルリンチ日本証券が目標株価に接近したとして投資判断を「中立」に下げたユニ・チャームも急落した。
新興市場の上昇が鮮明
新興市場は午前から指数が上昇するなど堅調な展開で、楽天に刺激される形で午後には上げが拡大した。ジャスダック指数は1.47ポイント(1.7%)高の88.40と4日続伸。東証マザーズ指数は47.69ポイント(4.1%)高の 1225.95と反発し、大証ヘラクレス指数は 51.96ポイント(2.7%)高の 1949.80と5日続伸した。
ジャスダック市場では、楽天が値幅制限いっぱいで取引を終えた。リーマン証では第4四半期から業績が回復してくると想定しており、目標株価を6万 1000円としている。ジャストトステムは米IBMと包括的協業契約を締結したことが好感されて急伸。インデックス・ホールディングス、オプト、スパークス・グループも高い。半面、ビックカメラが上場来安値を更新。ザインエレクトロニクス、アクセルも軟調。
東証マザーズ市場ではサイバーエージェント、ミクシィ、ディー・エヌ・エーが高い。上期業績を上方修正したタカラバイオも堅調。ブイ・テクノロジー、日本M&Aセンター、GCA、メディア工房は急伸し、テクノマセマティカルは開発ソフトが任天堂「Wii」に採用されたことが評価されて値幅制限いっぱいまで買われた。半面、リンクセオリ、ぷらっとホームが安い。
大証ヘラクレス市場はゼンテック・テクノロジー・ジャパン、スター・マイカ、USEN、モーニング・スターが高い。アドバンスクリエイト、イーサポートリンクは急騰。一方、ドリームテクノロジーズ、大阪証券取引所は安い。
福井日銀総裁と伊藤氏が成長戦略を巡り早くも火花―諮問会議要旨
10月18日(ブルームバーグ):内閣府は18日夕、安倍政権発足後13日に初めて開催された経済財政諮問会議(議長:安倍晋三首相)の議事要旨を公表した。それによると、諮問会議のメンバーの1人である日本銀行の福井俊彦総裁は、民間議員が提言した成長戦略について疑問を投げかけるとともに、今後の経済成長には2段階のアプローチが必要だと主張していたことが分かった。
福井総裁は先ず、「成長なくして未来なし」という理念の下で出された民間議員のペーパーに対し、基本的には賛成とする一方、このフレーズが「一般の国民の皆さんには、ちょっと耳ざわりが良すぎないか」と疑問を呈した。
その理由として総裁は、かつての日本経済は高い潜在成長率の上で、成長の実現が課題だったが、今後は「低い潜在成長能力を上げながら、かつ現実の成長を実現していくという、いわばツー・ステップ・アプローチになっているところが基本的に違う」と指摘。そのうえで、潜在成長能力を引き上げるイノベーション(技術革新)やオープン化は「決して甘い課題ではない」と主張している。
さらに総裁は、潜在成長力を引き上げるには時間がかかることや、経済のオープン化や規制緩和は短期的には苦痛として受け止められることなどにも言及。また重要な点として、こうした政策を実施した場合、日本国内では、技術革新を身につけた人とそうでない人との間の所得格差は「むしろ、さらに広がるということを相当覚悟しておかなければならない」と強調している。
そのうえで、総裁は2段階アプローチの意味を多くの人が理解できるよう諮問会議は「具体的なプレゼンテーションが必要ではないか」としている。
これに対し、民間議員でインフレ目標の導入論者である伊藤隆敏東京大学大学院教授は、潜在成長率を引き上げは時間がかかるとする福井総裁の意見に同調する一方、2段階論については「潜在成長率を上げれば、そのまま需要もついてくる。だから、ツーステップである必要ではない」と反論し、早くも火花を散らした。