7/21 イートレード
〔クロスマーケット〕リスク資産への流入続く個人マネー、投資行動も多様化
06/07/21 17:47
<東京市場 21日>
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日経平均 | 国債先物9月限| 国債281回債 |ドル/円(17:30) |
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14821.26円 | 132.65円 | 1.815% | 116.13/15円 |
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-125.58円 | +0.03円 | +0.010% | 117.03/06円 |
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注:日経平均、国債先物、現物の価格は大引けの値。
下段は前日終値比。為替は前日NY終値。
岩崎 成子記者
[東京 21日 ロイター] 北朝鮮のミサイル問題やイスラエルのレバノン侵攻など
地政学的なリスクをにらみつつも個人マネーはリスク資産志向を変えていない。相場変動
の激しい7月も投信への資金流入が続いていることが確認された。損失を抱えて身動きが
取れないヘッジファンド勢が再び出てくる中、個人マネーの投資行動は多様化している。
<個人マネーの投信への流入、6月よりも拡大>
金融市場では、7月に入り北朝鮮のミサイル発射やインドでの同時列車爆破、イスラエ
ルのレバノン侵攻など地政学リスクが強く意識されている。海外勢の中にはポジション縮
小を進めるファンド勢がみられる中で、個人マネーは依然としてリスク資産志向を変えて
おらず、海外株式や債券、REIT(不動産投信)等に流入し続けている。
野村総合研究所(NRI)が算出している国内投信の資金流入状況(新規ファンドの算
入は3カ月目から)によると、7月は19日までの12営業日で、海外株式に483億円
(6月の流入額は12営業日時点でマイナス98億円)、海外債券には1044億円(同
プラス648億円)、REITや複数資産に投資する海外ハイブリッドには1435億円
(同プラス1462億円)が流入した。また、国内株式には445億円が流入(同プラス
693億円)した。
国内外の株式・債券、REITなどを含む国内外のハイブリッド型ファンドへのネット
流入額は7月は12営業日で3192億円(同プラス2418億円)に膨らんだ。7月は
世界的に相場変動が激しかったにもかかわらず、個人マネーは様々なリスク資産に幅広く
流入した格好だ。
特に海外株式は、6月が100億円近い資金流出だったのに対し7月は国内株式の流入
額445億円を上回る483億円がこれまでに流入している。
新興国ファンドを抱える外資系投信の関係者は、「個人マネーが投資環境を見極めなが
ら、かなり積極的に投資行動をとり始めている感じがする」と分析する。
郵便局での投信販売も販売ペースは落ちていない。20日まで13営業日ベースの販売
額(手数料込み、速報べース)は237.9億円。口座開設件数は1万2317件、購入
件数は1万9316件に上る。日本郵政公社の関係者は「株価下落は追加購入者にとって
は好ましい話。反対に株価が下がっているので別の商品を購入してみようという人もい
る。ボーナスシーズンもあり資金の流入ペースは落ちていない」と話している。郵便局で
の売れ筋も海外資産に投資し、定期的に分配金を受け取れるファンドだ。
<身動き取れないヘッジファンド勢>
一方で、日本市場に投資する海外のヘッジファンド勢は身動きが取れなくなってきてい
る、という。マネックス・オルタナティブ・インベストメンツのマネージング・ディレク
ター、白木信一郎氏は、「現在、日本、英国、米国、アジアを拠点とするヘッジファンド
で、日本株ロング/ショートで運用されている資金は、預かり資産ベースで約5兆円程
度。そのうちの5分の1が大幅損失のため身動きが取れなくなりつつある」と指摘する。
白木氏によると、小型株ロング中心のポートフォリオを組んでいる日本株のロング/シ
ョートの運用担当者は、6月末の相場回復で一息ついていたものの、7月の相場急落でか
なりの損を抱えたようだ。瞬間的とはいえ損失幅は7月単月で約8%、年初来では20%
以上になっているファンドもあり、これらのファンドにとっては依然苦しい状況が続いて
いる、という。
先週、白木氏が英国で訪問した10社のヘッジファンドマネージャーは、年内の日本の
ファンダメンタルについて、10社中7社が依然強気だった。日本市場で動きが見えるの
は、金利系のマネージャーだ。6年ぶりの利上げを受け、日本の金利に変動性が出てきた
ことで、日本の債券市場のリスクエクスポージャーを増やす傾向が出ているという。た
だ、今後の利上げについては、年度内の追加利上げ派と見送り派で、今までになく見方が
分かれている。
〔株式マーケットアイ〕安値もみあい、週末で模様眺め気分が支配
06/07/21 14:59
〔株式マーケットアイ〕
<14:55> 安値もみあい、週末で見送りムードが支配
全般は安値もみあい。日経平均は1万4800円台で推移している。14時45分現在、東証1部の騰落数は値上がりが308銘柄、値下がりが1317銘柄。市場関係者によると「来週に発表が本格化する決算を見極めたいというムードが強いほか、週末で模様眺め気分が支配しており、閑散商状となってきた」(金山証券の商品本部長、川崎達行氏)という。
<14:30> 日経平均は軟調もみあい、出来高は11.5億株と低水準
日経平均は軟調もみあい、1万4800円前後の動きが続いている。14時30分現在の東証1部出来高は11億5897万株と薄商い。 市場では「週末の後場で手じまい中心の売買となり方向感が出にくい。米ナスダック市場の動きが不安定なことも気がかりだ。ただ、来週は月末で投信設定なども予想される。需給は悪くないだろう」(準大手証券情報担当者)との声が出ていた。
<14:00> 日経平均は軟調小動き、来週の決算発表に注目
日経平均は、1万4800円台で軟調小動きとなっている。 市場では「来週発表の4─6月期企業業績を見極めようという姿勢。メリルリンチ日本証券のレーティング通りにソフトバンク <9984.T> が一昨日に1800円台まで下げた。新興銘柄が安値をつけたので陰の極という人もいるが、まだ二番底を打ったとは言い切れない状態だと思う。今年度下期の景気動向などが注目される。物色面では、値上げができる企業という観点でみており、新日本製鉄 <5401.T> のようなところがリーディング株となるのではないか」(国内証券トレーディング部長)との声が出ていた。
<13:23> 日経平均は軟調も、1万4800円付近で下げ渋る
日経平均は、引き続き軟調。ただ、1万4800円前後では下げ渋って推移している。ハイテク株の一角や商社株などがしっかりとなっている。 市場では「日経平均の1万4800円レベルにまとまった買いが待っているとの見方があり、この付近が底堅くなっている。大口の売りが出ている気配もなく、きょうは1万4800円水準を値固めして終わる展開ではないか。18日安値の1万4437円で2番底をつけた可能性が高まっている」(準大手証券)とみる声が出ている。
<10:49> 日経平均は軟調、銀行・証券などがさえない
日経平均は軟調。1万4800円台での推移が続いている。銀行、証券など金融セクターがさえない。10時45分の東証1部出来高は6億2509万株と低調。 市場では「寄り後に主力株へのまとまった売りが出て上値が押えられている。米国株の落ち着きどころを見極めるまで実需筋は動きにくい。ただ、信用期日に絡む個人の処分売りが峠を越えているため、全般に売り圧力は強くない」(大手証券エクイティ部)との声が出ている。
<10:05> 反落、東証1部で値下がり1331銘柄
反落。日経平均は1万4800円台で推移している。10時現在、東証1部の騰落数は値上がりが285銘柄、値下がりが1331銘柄。市場関係者によると「週末ということもあって実需勢を中心に売り買いが細り、きのう急速に上げた分の利食いに押される動きだ。出来高は盛り上がらない状態で、本格反騰には値固めがもう少し必要なのではないか」(SMBCフレンド証券・投資情報室次長の松野利彦氏)という。
<9:41> 日経平均は戻り売りで軟調、1万4800円前後は底堅い
日経平均は軟調ながら、1万4800円前後は底堅く下げ渋っている。9時30分現在の東証1部値上がりは216、値下がりは1387。 市場では「海外勢の買いは入っているようだが、機関投資家など国内勢が売っている。20日の戻りで25日移動平均線(20日終値ベースで1万5082円)が視野に入ってきたため、この手前でヤレヤレの売りを出しているようだ。ただ、下値を売り込む悪材料があるわけではないため、1万4800円前後では底堅くなっている」(投信)との声が上がっている。 <9:17> 反落、米国株・シカゴ日経平均先物安で
寄り付きの東京株式市場は反落。日経平均は、米国株やシカゴ日経平均先物が反落した地合いを引き継ぎ、軟調に寄り付いた。その後は小動きに推移している。 寄り前の外資系証券経由の注文状況は差し引き1900万株の買い越し観測となった。一方、財務省が発表した今月9─15日の対外対内証券投資で、対内株式投資は3166億円の資本流出超だった。 個別銘柄では、アドバンテスト <6857.T> 、キーエンス <6861.T> 、京セラ <6971.T> などのハイテク株、みずほフィナンシャルグループ <8411.T> 、りそなホールディングス <8308.T> などの銀行株、ミレアホールディングス <8766.T> 、T&Dホールディングス <8795.T> など損保株が軟調となっている。
<8:40> 寄り前の板状況、自動車・ハイテク株などが売り優勢
市場関係者によると、寄り前の板状況は、トヨタ自動車 <7203.T> 、ホンダ <7267.T> 、スズキ <7269.T> など自動車株や、ソニー <6758.T> 、松下電器産業 <6752.T> 、ファナック <6954.T> 、アドバンテスト <6857.T> などハイテク株が売り優勢となっている。 またT&Dホールディングス <8795.T> 、ニッセイ同和損害保険 <8759.T> 、損害保険ジャパン <8755.T> など損保株も売り優勢。
(東京 21日 ロイター)
UPDATE2: 五味金融庁長官が異例の3年目に、利用者保護行政を定着へ
06/07/21 19:16
[東京 21日 ロイター] 金融庁は、五味広文長官(57)の留任を正式発表した。佐藤隆文・監督局長(56)、三国谷勝範・総務企画局長(55)、西原政雄・検査局長(55)の3局長と、中江公人・総務企画局総括審議官(53)も留任する。発令日は7月28日。 長官人事をめぐっては、佐藤局長の昇格が有力視されていたが、五味長官が3年目を迎える異例の動きとなった。
<利用者保護さらに加速へ>
五味長官が事務当局トップとして異例の3年目に入ったのは、他省庁の事務次官と比べて年次が若い上、保険金不払いなどの問題が起きるなかで、利用者保護の徹底は道半ばという背景がある。
不良債権問題が峠を越え、金融行政の軸足が「緊急対応型」から「平時型」に移る中で、金融庁も「利用者の目線」をより一層求められるようになった。その結果が、今年に入り相次いだ金融機関に対する行政処分だ。4月14日のアイフル <8515.T> を皮切りに、三井住友銀行、中央青山監査法人、損害保険ジャパン <8755.T> 、三井住友海上火災保険 <8752.T> と、わずか2カ月の間に5法人が一部業務停止命令を受けた。
厳罰の連発に金融界からは「庁名を金融処分庁に変えたらどうか」(金融関係者)といった皮肉交じりの批判も聞こえてくるが、それでも五味長官が意に介さないのは「行政はすべからく国民の役に立つかどうかでその価値が判断される」(2004年7月2日の就任会見)との強い信念があるためだ。
「平時の金融行政はできることが限られており、誰がトップになっても変わらない」(市場関係者)と冷めた見方がある中で、利用者保護のためなら厳罰も辞さないと強い姿勢で臨む五味長官。平時とはいえ、りそな銀行の経営再建問題や一時国有化された足利銀行の出口問題が依然として残っており、来夏には金融商品取引法の本格施行も控えている。また、監査法人制度の見直しや貸金業関連の法整備も取り組みは道半ばだ。
市場では、一部地方銀行の経営問題や保険会社に対する行政処分に関するうわさもささやかれており、その問題を処理するために異例の続投になったとの見方も出ている。真相は藪の中だが「正直者が馬鹿を見るようなことがないようにしたい」と公言する五味長官の続投は、利用者保護路線の一段の加速を意味することになる。
〔外為マーケットアイ〕対欧州通貨でドル売り、レバノン地上戦拡大も手がかりに
06/07/21 17:15
〔外為マーケットアイ〕
<17:12> 対欧州通貨でドル売り、レバノン地上戦拡大も手がかりに
複数の市場筋によると、夕方の値動きのきっかけとなったのは対欧州通貨でのドル売り。イスラエルの日刊紙マーリブが、イスラエル軍がレバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラに対する地上戦を近く拡大する可能性があると報じたことで、米系インベストメントバンクや一部ヘッジファンドがスイスフラン買い/ドル売りに動き、「週末を前にロングになっていた向きのドルの調整売り」(外銀)が加わったという。
ドル売りが英ポンド/ドルの1.8520―30ドル付近にあったストップロスをつけて加速すると、ドル/円も116円台前半にあったストップロスを巻き込んで下落。現在は116.04/07円付近で取引されている。「目先のふし目と言われているユーロ/ドルの1.26ドル台半ばやドル/円の116円前半、英ポンド/ドルの1.85ドル半ばを抜けてくると、ドル売りがさらに加速する可能性がある」(別の外銀)という。
<16:46> 円買いの動きも、ストップ巻き込み一段高
夕方の取引では円買いも目立っている。ドル/円は116円前半にあった円買いを誘発するストップロスを巻き込みつつ116.27円まで一時下落し、史上最高値付近でもみあいが続いていたユーロ/円も147.70円付近から147.29/31円付近まで、英ポンド/円も216円前半から215円後半へ値下がりするなど、円が全面高となっている。市場ではクロス円で利益確定の売りが強まっているとの声が出ている。
<16:33> ドル小幅安116.55円付近、対ユーロで売り仕掛け
ドル/円は116.56/59円付近へ小幅下落。「米利上げ観測が後退しつつある流れを受けて、夕方に入って対ユーロでドル売りが出ている」(都銀)という。日中にほとんど動きのなかったユーロ/ドルが1.2640ドル付近から1.2660ドル付近へ小幅上昇したことを受けて、ドルは他通貨に対しても下落。きょうGDPが発表される英ポンドに対しては、約1カ月ぶりの安値をつけた。 しかし市場では「ドルを積極的に売り込むような手がかりもなく、値動きがここから大きくなるとは考えづらい」(同)との声もあった。
<13:46> ドル小動き、英GDPに関心
ドル/円は116.83/86円付近と116円後半で一進一退が続いている。「116円台はもう何度も行き来している水準。実需筋の売買もだいぶこなれているうえ、手がかり難で短期筋の動きも鈍い」(都銀)として、積極的な売買を手控える向きが多いという。ユーロ/円も147.74/76円付近と史上最高値を目前にもみあいとなっている。
きょうは英国で第2・四半期のGDP速報値が発表される。事前予想は前期比プラス0.7%、前年比でプラス2.5%付近。20日発表の6月小売売上高が前月比0.9%増と今年3月以来の高い伸びを示し、事前予想の0.4%を大きく上回ったことで、一部には上振れ期待もあるという。 英国では18日発表の6月消費者物価指数(CPI)が前年比2.5%と、97年1月の集計開始以来の最高を記録した2005年9月と同水準の伸びとなったことなどから、年末にかけての利上げ期待が高まっている。
<11:29> ドル116.85円付近、金利差狙いの買いも
ドル/円は116.85/88円付近。仲値は不足ぎみだったもようだが、その後は「輸出企業の売りが前日の半分くらい」(国内金融機関)にとどまり、取引の見送りムードが強まっている。ユーロ/円も高値圏のもみあいが続いている。来週にかけて市場参加者の関心を集めるようなイベントが予定されていないため値動きが鈍っているが、「そうなると金利差収入を狙ったドルやユーロが下値で買われ、しっかりの展開になる」(都銀)という。
<10:16> ユーロ/円がしっかり、買い仕掛け止まらず
ユーロ/円が147.75/77円付近と、前日海外市場でつけた史上最高値147.88円をうかがう動きを続けている。堅調地合いの続くユーロ/円は、利上げ期待の強いユーロ圏と日本の金利差や、値動きの軽さで投機筋の買いを呼び込んでいるとの見方が多い。「高値圏で急落のリスクがあるため、ユーロ/円は大きく買い持ちにできず、参加者のポジションは依然として軽い」(外銀)ことから、一段の買い仕掛けが入る可能性があるという。「史上最高値の更新でテクニカル的な判断も効かなくなってきた。割高感はぬぐえないが、150円付近(まで上昇する)と言われても違和感がなくなってきた」(都銀)との声も出ている。
半面「先高感が強い分、輸出企業はドル/円よりユーロ/円の売りをまだ押さえている状況で、何かのきっかけがあれば大きく下落する」(別の都銀)とされ、反落への警戒感も根強い。
<09:28> ドル116円後半、クロス円で売り買い交錯
午前9時過ぎのドル/円は、前日NY市場の午後5時時点とほぼ変わらず116円後半で取引されている。バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言など当面の主要イベントが前日で一巡し、きょうのドルは朝方から値動きに乏しい展開となっている。円安が進んでいるクロス円は、前日海外で最高値を更新したユーロ/円が高値圏でしっかりだが、英ポンド/円は216円台前半へ下落するなど、小幅ながら売りに押されている。
(東京 21日 ロイター)