『需給ギャップ』

（１）予測結果の概要－続く国家支援型危機回避の構図

政府と外需によって支えられる日本経済、この姿は99年度においても続く見通しである。今回の予測結果による99年度日本経済の実質経済成長率はマイナス0.6%となる。97･98年度に引き続いての3年連続マイナス成長となるが、落ち込みの程度は98年度実績見込みの2.2％に比べて軽微に留まる。だが、それは公的需要と純輸出によるプラスの貢献がもたらす結果であって、国内民需は依然として縮減基調が続く。

Focus on the Markets No.5～実質政策金利と需給ギャップからみた金融政策運営

すでに解消している「市場需給ギャップ」

［焦点］日銀も需給ギャッププラス判断、金融政策は上振れリスクに軸足シフト

［東京　１３日　ロイター］　日銀が４月金融経済月報で国内需給バランスが需要超過との判断を公式に示したことで、需給ギャップのプラス転換について政府・日銀の判断がそろった。これまでのマイナスギャップの時代とは異なり、今後の金融政策は安定した成長軌道からの上振れリスクにより注視し、リスクを溜め込まないような政策運営を行っていく可能性が大きい。

ＧＤＰギャップ、１－３月プラス０．６％　１４年ぶり高水準

内閣府は１９日、経済全体の需要と供給の差を示すＧＤＰギャップ（需給ギャップ）が今年１～３月期に、プラス０．６％と平成４年以来の高い水準に達したことを明らかにした。長期デフレに突入する直前並みの「需要超」が確認されたことで、今後のデフレ脱却の判断を後押しする材料となりそうだ。

2006年1－3月期２次QE後「内外景気見通し」改訂値

さて、デフレ脱却の時期としては06年4－6月期が一応の目処となろう。需給ギャップは供給超過状態をほぼ脱し（当社試算）、今後も一段と需要超過の度合いを高めると予想する。こうした需給バランスの改善を核とし、人件費の増大、原油高の影響といった要因も加わることにより、物価は緩やかな上昇傾向をたどるとみられる。