需給ギャップとは
◆実質GDP伸びて ようやく縮小傾向
今年1―3月期の国内総生産(GDP)の実質成長率は年率で前期比5・6%の高成長となったが、こうした高成長下でも依然デフレが続いている。背景には、経済の供給力と現実の需要との乖離(かいり)を示す「需給ギャップ」の存在が指摘されている。国内の企業などが設備や人を使ってどれだけのモノやサービスを提供できるかを表す「供給能力」に比べ、実際に消費などの需要がまだ弱いためだ。この「供給超過」の下では、モノが売れずデフレになりやすい。需給ギャップは最近縮小しつつあるが、解消には時間がかかるとの見方が多い。(佐々木 達也)
経済の需給ギャップ
経済の供給の伸び率(自然成長率)と現実の需要の伸び率(実質成長率)との乖離(かいり)のことを需給ギャップという。
生産余力を示している。「好況」と「不況」、「人手不足」と「失業問題」、「生産のボトルネック」と「設備過剰感」などが、この需給ギャップを表したものである。
需給ギャップの現状と需要と供給の伸び率(実質成長率と自然成長率)との関係において、経済は、次の4つの局面(=経済の局面)にわけることができる。
(1) 需給ギャップが小さく、かつ実質成長率 > 自然成長率の局面
(2) 需給ギャップが小さく、かつ実質成長率 < 自然成長率の局面
(3) 需給ギャップが大きく、かつ実質成長率 < 自然成長率の局面
(4) 需給ギャップが大きく、かつ実質成長率 > 自然成長率の局面
局面に応じ、金融政策が行われる。政策によって反映される金利(金利の変化の方向は、長期金利も短期金利も同じ)は、政策の変化を知ることで金利循環を教えてくれる。
価格メカニズムがうまく働かない場合には、総需要と総供給に差が生じます。これを需給ギャップといいます。需給ギャップが解消されない状態が続くと、インフレやデフレが生じます。
総需要が総供給を上回った場合の差をインフレ・ギャップと呼んでいます。この状態では、生産が追いつかず、供給不足(品不足)となり、物価が上昇するインフレ現象を生み出します。
逆に、総供給が総需要を上回った場合の差をデフレ・ギャップと呼んでいます。この状態では、売れ残りが生じ、供給過剰(需要不足)となり、物価が下落するデフレ現象を生み出します。
インフレギャップ |
通貨量の増加 |
⇒ |
物価が継続的に上がる |
インフレ |
デフレギャップ |
通貨量の減少 |
⇒ |
物価が継続的に下がる |
デフレ |