NICK LEESON -1993-
ニック・リーソン(NICK LEESON) 1993年
年初頃
ミスが膨れあがってきた頃、ニックはようやく大きな仕事を手にしようとしていた。大口クライアントのフィリップをつかみ、トレーダーを雇いバックオフィスにスタッフを配置して、チームを編成し指揮するようになっいてた。本来、BFSのボスはサイモン・ジョーンズであったが、ほとんどがニックをボスとみなしていた。
しかしジョージのミスを何とかしなくては、ニックは今の生活全てを失い、トレーダーとバックオフィスのスタッフの実績すべてを失うおそれがある、そして失いたくないと思ったようだ。
ニックはミスを88888アカウントに隠すことにした。しかし、そこには2つ問題があった。
1つ目は、ベアリングズ内部の経理監査が月末に行われることであり、その時に、88888アカウントの状況をしれば全てが露呈しそうなれば職を失う。そして月末は確実に近づいていた。
2つ目は、SIMEXへの証拠金の問題だった。1992年はクライアントの資金を使って窮地を切り抜け、SIMEXに支払いをしていた。その時は、比較的少額の支払いですんだのでポジションを清算してソンを確定できていた。足りない分は自分の手数料収入から差し引いて修正できていた。しかし、今のミスはクライアントの資金では全部を埋めることができないほどになっていた。
そこで、彼は解決策を考える。1つは監査を切り抜けるためのバランスシートに88888アカウントの借金を移すことだった。そのためにはオプションを売らなければならない。このことがベアリングズに大きなリスクを背負わせると彼は知っていた。
次に、不足の証拠金を毎日、ロンドンに送金してくれるよう要請することだった。彼は、ベアリングズの管理体制が甘いことを感じていた。それはロンドンとの意思疎通がおおざっぱであったことと、彼がだれに報告しているかを知るものもないまま、勝手に仕事をさせていくれていたからだった。
続く。
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