夜の国には夜の国の理がある。
![影の樹と三日月1](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/80/4d/j/o0400030015379614076.jpg?caw=800)
夜が支配する月の国。
明かりは月明かりのみ。
満ちて、欠けて、見えなくなったら深の闇。
でも私たちは気にならない。
それが私たちの普通だから
![影の樹と三日月2](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/31/88/j/o0400030015379614082.jpg?caw=800)
私たちに細かなディテールは、あまり意味をなさない。
わかるのは、
私。と、私ではない誰か。
ただ、そこにいるだけ。
それだけでよい。
![影の樹と三日月3](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/b9/af/j/o0400030015379614084.jpg?caw=800)
光の者はまぶしい。
月の光のような優しさは、あるのかもしれないけれど、わからない。
彼らは何かを語るが、
私は此処以外のどこかに行きたいと思わない。
正直、
ここではないどこかに行こうという気持ちすら、眩しい。
![影の樹と三日月4](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/98/5e/j/o0400030015379614090.jpg?caw=800)
月は優しい。
ほんの少し、足下を照らして。
何者かであるかも忘れてしまった、私を赦してくれる。
何者かであるのを、忘れようとしている、私を慈しんでくれる。
影の大樹の下で、
すべてを投げ出して、身を委ねる
誰も何も言わない。
誰もがそうしている。
![影の樹と三日月5](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/91/ac/j/o0400030015379614098.jpg?caw=800)
細い三日月が、私の顔を照らして。
使い古された雑巾の様な、自らの姿を思い出させる。
慟哭が突いて出て、
獣のような声をあげる
やがて雲が、ほんのわずかな光すら覆い隠して、
三日月の涙のように、影の樹が雫を垂らすのだ。
雨が降ったのだなと、
霞の掛かる脳裏に浮かぶ。
影の樹は私の上にも覆うので、時折垂れる雫は涙のようだ。
![影の樹と三日月6](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/64/c0/j/o0400030015379614105.jpg?caw=800)
夜の国には夜の国の理がある。
私たちには私たちの理由がある。
![影の樹と三日月1](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/80/4d/j/o0400030015379614076.jpg?caw=800)
夜が支配する月の国。
明かりは月明かりのみ。
満ちて、欠けて、見えなくなったら深の闇。
でも私たちは気にならない。
それが私たちの普通だから
![影の樹と三日月2](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/31/88/j/o0400030015379614082.jpg?caw=800)
私たちに細かなディテールは、あまり意味をなさない。
わかるのは、
私。と、私ではない誰か。
ただ、そこにいるだけ。
それだけでよい。
![影の樹と三日月3](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/b9/af/j/o0400030015379614084.jpg?caw=800)
光の者はまぶしい。
月の光のような優しさは、あるのかもしれないけれど、わからない。
彼らは何かを語るが、
私は此処以外のどこかに行きたいと思わない。
正直、
ここではないどこかに行こうという気持ちすら、眩しい。
![影の樹と三日月4](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/98/5e/j/o0400030015379614090.jpg?caw=800)
月は優しい。
ほんの少し、足下を照らして。
何者かであるかも忘れてしまった、私を赦してくれる。
何者かであるのを、忘れようとしている、私を慈しんでくれる。
影の大樹の下で、
すべてを投げ出して、身を委ねる
誰も何も言わない。
誰もがそうしている。
![影の樹と三日月5](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/91/ac/j/o0400030015379614098.jpg?caw=800)
細い三日月が、私の顔を照らして。
使い古された雑巾の様な、自らの姿を思い出させる。
慟哭が突いて出て、
獣のような声をあげる
やがて雲が、ほんのわずかな光すら覆い隠して、
三日月の涙のように、影の樹が雫を垂らすのだ。
雨が降ったのだなと、
霞の掛かる脳裏に浮かぶ。
影の樹は私の上にも覆うので、時折垂れる雫は涙のようだ。
![影の樹と三日月6](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/64/c0/j/o0400030015379614105.jpg?caw=800)
夜の国には夜の国の理がある。
私たちには私たちの理由がある。