再びその日が来ることを待っている。
![赤と青のコランダム1](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/18/7f/j/o0400030015379613504.jpg?caw=800)
ソレは力のある者達の祭事に使われたモノであった。
生命力溢れる赤の者が力を回し
清流のような魔力の青の者がそれを奏でる。
二つは合わさり、
音を奏でた
音は遠くまで響き渡り
彼らは神々により豊穣の約束を賜る
二つを一つにする
私は祭事の器。
![赤と青のコランダム2](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/50/fe/j/o0400030015379613512.jpg?caw=800)
幾度も行われてきた祭事も、
やがて廃れていった
私の元に来るのは、どちらか一方であった。
![赤と青のコランダム3](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/3f/a1/j/o0400030015379613521.jpg?caw=800)
どうやら、
祭事は変化していったようで、
どちらがより強いか
という競い事になっていったようで
私は空っぽの映し身になりはてた。
![赤と青のコランダム4](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/eb/38/j/o0400030015379613531.jpg?caw=800)
一つの集団だった者達が、
どちらがより強いか?
ということで分裂し、
長い時間を掛けて二つの集団になっていったらしい。
どちらがより強いか?
という、分裂の最初の疑問も
どちらの集団が優秀であるか?
という疑問に移行していき
そのうちに
負けたくない
というものに変化していったようだ。
![赤と青のコランダム5](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/4f/2c/j/o0400030015379613539.jpg?caw=800)
くだらない。
そのくだらなさで、
約束された豊穣は失われ、
民は疲弊し
その鬱憤をお互いの集団にぶつけている。
なにをやっているのだ
問いかけたとしても、
この様子だと、もはや原因を知るものはいない
脈々と続く、怨嗟の記憶を植え付けているだけ。
怨恨は増えに増え、
とうとう赤と青の集団はなくなった。
![赤と青のコランダム6](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/dc/d7/j/o0400030015379613547.jpg?caw=800)
歌はもう響かないのか
もう誰も来なくなった神殿の奥で、
私は懐かしい歌を思い出しながら、眠りについている。
ギイ…
細く扉が開いた。
![赤と青のコランダム7](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/14/f5/j/o0400030015379613550.jpg?caw=800)
小さな手が、私を捕まえた
ああ、もう、勝手に取っちゃ駄目だよぅ
もう一つの手が私に触れる。
懐かしい感覚
ああ、
彼らは、全部ぜんぶ無くなったわけじゃなかったのだ。
回り始める
赤と青の力
満ちてゆく音が空気を震わせた
赤と青のコランダム
![赤と青のコランダム1](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/18/7f/j/o0400030015379613504.jpg?caw=800)
ソレは力のある者達の祭事に使われたモノであった。
生命力溢れる赤の者が力を回し
清流のような魔力の青の者がそれを奏でる。
二つは合わさり、
音を奏でた
音は遠くまで響き渡り
彼らは神々により豊穣の約束を賜る
二つを一つにする
私は祭事の器。
![赤と青のコランダム2](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/50/fe/j/o0400030015379613512.jpg?caw=800)
幾度も行われてきた祭事も、
やがて廃れていった
私の元に来るのは、どちらか一方であった。
![赤と青のコランダム3](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/3f/a1/j/o0400030015379613521.jpg?caw=800)
どうやら、
祭事は変化していったようで、
どちらがより強いか
という競い事になっていったようで
私は空っぽの映し身になりはてた。
![赤と青のコランダム4](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/eb/38/j/o0400030015379613531.jpg?caw=800)
一つの集団だった者達が、
どちらがより強いか?
ということで分裂し、
長い時間を掛けて二つの集団になっていったらしい。
どちらがより強いか?
という、分裂の最初の疑問も
どちらの集団が優秀であるか?
という疑問に移行していき
そのうちに
負けたくない
というものに変化していったようだ。
![赤と青のコランダム5](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/4f/2c/j/o0400030015379613539.jpg?caw=800)
くだらない。
そのくだらなさで、
約束された豊穣は失われ、
民は疲弊し
その鬱憤をお互いの集団にぶつけている。
なにをやっているのだ
問いかけたとしても、
この様子だと、もはや原因を知るものはいない
脈々と続く、怨嗟の記憶を植え付けているだけ。
怨恨は増えに増え、
とうとう赤と青の集団はなくなった。
![赤と青のコランダム6](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/dc/d7/j/o0400030015379613547.jpg?caw=800)
歌はもう響かないのか
もう誰も来なくなった神殿の奥で、
私は懐かしい歌を思い出しながら、眠りについている。
ギイ…
細く扉が開いた。
![赤と青のコランダム7](https://stat.ameba.jp/user_images/20231221/13/r-tiaracrown/14/f5/j/o0400030015379613550.jpg?caw=800)
小さな手が、私を捕まえた
ああ、もう、勝手に取っちゃ駄目だよぅ
もう一つの手が私に触れる。
懐かしい感覚
ああ、
彼らは、全部ぜんぶ無くなったわけじゃなかったのだ。
回り始める
赤と青の力
満ちてゆく音が空気を震わせた
赤と青のコランダム