私は海の一族の象徴の矛であった。

アクアプリズム1

海の一族に大事があった際、これをもって討ち取った者のモノに、私はなった。

アクアプリズム2

かの勇者は海を離れ、
陸に生き、
長い長い時間が流れ、
その一族は海の一族であることを忘れてしまった。

アクアプリズム3

私は海に帰りたかった。

隙間から月光が照らすと、私は海への道を射し示した。

かの勇者は、静かな場所を好んだようで、
ここは確かに静かな場所であったが、
私は海に帰りたかった。

アクアプリズム4

光の射し示す方に、
長い時間の中、
海にまでやってくる者は何人か居た。

けれど
ソレを持って入る

まで行った者はいなかった。

私は、海に帰りたかった

アクアプリズム5

そうして、
何度も時折目覚めては、
海の一族の子孫が、時折私を連れ出し、眠らせる。

もう、海の底に戻ることは叶わないのであろうか

アクアプリズム6

そうして今でも
海の一族の陸地の家に、私はあるのだろう。


折れた槍・アクアプリズム