それはピンク色の薔薇の剣で、
荊の箱に眠っていた。

ピンクローゼス1

まるでそれはいばら姫のよう。

資格のあるものに荊は開かれる。。。というのはおとぎ話の事で

これを手に入れるには、荊を踏み越えて中に踏み込まなければ。。。

ピンクローゼス2

薄紅の薔薇に
薄紅に染まる刀身

あら、貴方が私の王子様なの?

薔薇の剣が悪戯っぽく笑う。

ピンクローゼス3

ねえ、
貴方本当に後悔はない?

私、悪戯が過ぎて閉じ込められてしまったのよ。

結果とか考えた事ないんだもの。
事が大事だったら…当然よね。

剣の姿で良いことをしたら元に戻してくれるって言ってたけど。。。別にどうでもいいわ。

私は私のしたことに責任を取っただけだもの。

私と一緒に居ても、なんにも良いこと無いわよ。

ピンクローゼス4

おや、それは大変だ。

僕はこれから、ちょっと何が起こるんだか分からない旅に出るんだけど
退屈というのは好きではなくてね。

ついでを言うと、何かに所属するのも好きではないものだからねぇ
この間もらった、騎士団への推薦状を破棄してきたばかりなんだ。

家人にもの凄く怒られてしまって、仕方がないから出てきてね。
まずは噂の荊の剣を探していたらあっさりと見つかったわけなんだけど、

この荊を払っていたら、自前の剣を折ってしまってね。

このままじゃつまらない生活に逆戻りしてしまうんだ。

ああ~。
せっかく新しい剣が見つかったと思ったのになー。
ざんねんだなー。


ピンクローゼス5

そ…それは私の責任ということかしら。
責任はとらないといけないわね。

いいわ。
私が貴方の剣になってあげる。

でも一言いっておくわ。
私、ほんっとうにくだらないことばっかり言うわよ。


いいさ。

と、剣を手に入れた君は

君が律儀で助かったよ。
長い道中楽しくないとね

と笑った。

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