日本の住宅はチープだと言われるけど、何が問題か。
もちろん、材料の問題はある。いわゆる、汚れる材料で囲まれているから、美しく年齢を重ねて行かない。そもそも美しく年齢を重ねるつもりはないから、最初からチープにつくるというのも本当。
でも、そういう住宅に住んでいる人たちが、ヨーロッパの古い街並を見て「きれいだな」と思うのも本当。本当は、日本の街並だってそうあって欲しいと思っているはずだと思う。
しかし、そもそも全ての住宅がチープわけではない。
いや、むしろここで言いたいのは、「チープな住宅ばかりではないよ」ということだったりする。
材料にこだわり、プランにこだわり、「100年もたせるぞ!」と気合いのはいった住宅も見かけるし、築年は古くても、しっかり管理されて美しく年齢を重ねている住宅もある。
築50年の住宅を見事にリノベーションして再生した事例も見かける。
特にリノベーション事業者の意識の変化は目覚ましいものがあって、一旦部屋をスケルトンにし、その上で配管から何から全てをやりなおす、という手法が珍しくなくなっている。次の数年のための表面だけのリフォームではなく、「次の数十年」を見据えた根本的なアプローチだと思う。
問題は、そういった住宅の存在の認知が高まらないところにある。
そう、本当の問題は不動産の流通にある。
どこの検索サイトへ言っても築年数は「新築、2年未満、5年未満、10年未満、それ以上」。その中から「それ以上」は選びたくないよなあ・・・。「それ以上」じゃなくて「気にしない」だったら良いのに。
それに不動産屋へ行けば新築から順番に勧められる。
そういった経験をした人が不動産屋に就職したりにするから、そういったサイクルが延々と繰り返されることになる。
志の高い築40年のリノベーション住宅は、流通しづらい仕組みになってしまっているわけだ。
最初の話に戻るけど、美しいヨーロッパの街並に憧れていたことを忘れさせてしまう巨大な力が流通を歪めている(笑)。壮大なマインドコントロールが行われているようにすら思える(笑)。
その結果、得をするのはチープな新築をつくる既得権益層だったりするわけだけど。
要するに、そういった固定化した流通の仕組みに風穴を空けたいと思ってR-STOREをやっていて、普通の不動産屋だったらオススメされないような住宅を探し出して紹介しているのはそういう理由なわけです。
ウェブだったり、アプリだったり、新しい流通の仕方を試行錯誤しているのも、「本当はもっと素敵な住宅がいっぱいあるよ」ということを知らせたいな、と。
まだまだ実力不足感は否めませんが。
今後も頑張っていきます。
■R-STORE(アールストア)は素敵な住宅をたくさん紹介できるように頑張ります。■