旧耐震と新耐震 | R-STORE BLOG

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代表の浅井が中心に、色々と書き綴ります。

FacebookのManjo Shimaharaさんのウォールに興味深いエントリーがあった。以下転載。

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ツイッターにも書きましたが、東京カンテイ「Kantei eye vol.71」の「東日本大震災宮城県マンション被害状況調査報告」

正直ここまでとは。驚いた。
冒頭から「結論から述べれば、マンションの震災被害の度合いは、耐震基準よりも土地・地盤との相関性が高いと考えられる。」と。新耐震と旧耐震で、被災状況に差が出ていないのだ!

東京カンテイは阪神淡路大震災の時もマンションの被災状況を調査していて、それによれば兵庫県内2177棟の旧耐震マンションの大破は3.4%、中破は3.1%。だから旧耐震と言ってピロティとかでもない限りそうそう壊れてないだろうとは思っていたし、実際に震災後に何度か仙台を訪れた印象としても、地震の揺れで大きく損傷したマンションはそれほど多くないことは知っていた。

仙台市の竣工済みマンション1480棟を調べた今回の調査結果を引用すると、
■新耐震1233棟のうち
・損傷なし 630(51%)
・軽微   456(37%)
・小破   135(11%)
・中破    12(1%)
・大破    0(ー)
■旧耐震227棟のうち
・損傷なし 108(48%)
・軽微    75(33%)
・小破    40(18%)
・中破    12(1%)
・大破    1(0%)
※旧耐震の大破1棟は、最も揺れが激しかった(6強)の宮城野区の物件。大崎市、名取市など他の6強の地域にも旧耐震マンションはあったが、大破はゼロだった。

東京カンテイも結論づけているように、今回の地震でのマンションの被害は、耐震基準よりも地盤の良し悪しほうが相関性が高いことが証明された。

面倒なリプライが来るのでツイッターには書けないが、いまマンションを探している人が、地震を心配して旧耐震を選択肢から外すとしたら、まったくナンセンスと言える。ましてや、地震を理由に新築マンションしか検討しないとしたら「あら、もっったいない」では語りきれないくらいの残念さだ。

確かに、制震・免震マンションにはほとんど被害がみられない。が、そもそも超高層にするから免震を必要とするわけで、地盤のよい立地の中低層マンションなら、そんな余計なコストをかける必要もない。

同じ「Kantei eye vol.71」の第一特集「都道府県別 新築・中古マンション価格の年収倍率2011」では、全国平均の新築マンションが6.27倍に対して、中古マンションは4.32倍(いずれも70㎡換算)。東京都に限っては、新築9.43倍、中古7.35倍である。

マンションリノベ事業者の皆さん、「Kantei eye vol.71」読んで営業に役立て下さい。
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専門家に言わせると、地震の周波や型(直下型など)によっても結果は変わるそうだが、何はともあれ、こういったデータがあれば、旧耐震を選ぶこと=危険 ではないということが、冷静に判断できるというもの。一方で姉歯事件のように、新築であっても人的なリスクはあるわけで。

そして、こういった情報をほとんど出さずに、3.11の恐怖をネタに「旧耐震だから危ない、地震に弱い」、「免震だから大丈夫」などと「間違ってはないけど、全て正解じゃないよね?」というような情報を、さもそれが全てかのように触れ回り、新築を売ろうとするディベロッパーやメディアにみなさんが惑わされないことを祈ります。
なにしろ、日本は住宅が余りすぎていて、このままでは30年後は日本全国ゴーストタウンなんですから。

■R-STORE(アールストア)では、旧耐震も新耐震も良い空間であれば扱います■