覗き穴

覗き穴

これが私の脳内です

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出会ったばかりの人と朝帰り。
何が恥ずかしいって、付き合いたての中学生のごとく、一晩を過ごしてしまったこと。
30も手前になってこんな夜を過ごすだなんて。
若い人には解らないかもしれないけれど、これってかなり恥ずかしいもの。
一層欲に溺れてしまった方が、ずっと堂々としていられる。
それなりに色々を経験してきた二人だもの、何もない方が、なんだかとても不自然。

そりゃあまぁ、相手は同僚なのだから、事後のごたごたを考えて線をひくのは社会人として当然。
でも、なんだかちょっと、それだけではなくって。
体温で誤魔化す必要がない、誤魔化したくないだなんて、そんなことを思ってしまったの。
やれ愛だ恋だなんて、今の私には解らない。
ただ、普通ではないということは、恐らく確か。

思えば、はじめから何か感じるところはあったんだよ。
この人とはきっと、割りと馬が合うって。
とはいえ、こんなにも早い段階で、長い時間を二人で過ごすだなんて。
お誂え向きともいうべきシチュエーションから、確信犯と言っても差し支えないくらいの展開。

連なる偶然は、大人であらんとする私たちの心を、無理矢理に近づけていく。

見て見ぬふりをしたところで、互いの間に佇む懐かしい空気感は消えるわけもなく。
触れたくて、触れられたい。
そんな本性が、君の瞳の奥に見え隠れ。
私たちは、一体どうしてこの距離を、保ち続けることができるのであろうか。
君の見せる背伸びと、私の投げ掛ける視線は、気づけば一直線に結び付く。

夜があと一時間でも長かったなら、どうであったのだろう。
実った果実に手を伸ばし、下界に堕ちてしまった方が、いくらか楽だったのかもしれない。
解っていたはずじゃない、当たり障りのない純粋が、何よりも支障を生むことを。
いつだって、人の心を本当に捉えるものは、単純なものなんだ。

嫌いなんだ、駅の改札で別れを惜しむ男女の姿は。
よもや今頃になって、ミイラ取りがミイラになるなんて。
それでも、悪くないと感じてしまうのは、やはり私も人並みだということか。
まぁ、それも良いかな。

明日は恐らく、映画に行くことになるのであろう。
まさか、こんなにも熱の冷めやらぬ間に、互いの休みが合ってしまうなんて。
世の中、案外と上手く出来てしまっているもの。
ならば、もう少しこの流れに乗ってみるのもまた一興。


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