今回は「開業前のタブー」についてお伝えします。
塾の開業を目指す方、もしくはすでに開業された方も、
その多くはどこかの塾にお勤めされている、
もしくはされていた方が多いでしょう。
独立開業を前提に会社を辞める場合、
絶対にしてはいけないこととは何でしょうか。
それは、自ら「独立する」「○○市で開業する」
と同僚に打ち明けることです。
独立開業は人生の一大決心です。
仲の良い同僚や後輩・お世話になった上司や先輩に
伝えたくなる気持ちもよく分かります。
しかし、「絶対に人には言うなよ、実は……」なんて教えてしまうと、
すぐに社内に広まってしまいますよ。
「あれほど誰にも言うなって言ったのに!」
と、バラしてしまった同僚を責めたくもなりますが、
残念ながら、軽はずみに話してしまった自分に責任の端緒があります。
ここはグッと我慢し、
退職にあたっては「一身上の都合」を貫きましょう。
ではなぜ、ここまで徹底するのか。
それは、あなたが会社を辞めて、同業で開業するからです。
すなわち前職の塾にとって商売ガタキになるのであり、
「裏切られた」「恩を仇で返された」と思われても無理はありません。
会社側の論理で考えると、
塾人としての「闘い方」を心血注いで教えてきたのに、こともあろうか
それを使って自分に向かって攻撃してきたわけですから。
快く送り出し、エールを送ってくれるような
社長さんや上司の方もいらっしゃるでしょうが、
そんな人間的にデキた人たちばかりではありません。
実は、私の周りでもこんな例がありました。
私の知人であるA塾長は、とても実直で真面目な人柄。
彼は退職にあたり、上司に
「独立して自分で塾をやろうと思っています」
と正直に退職理由を話しました。
すると、上司から「開業したら敵と見なす」と脅されたそうです。
他にも、こんな例があります。
B塾長は、会社を辞める前から独立を公言し、
その事実が社内中に広まってから辞めました。
その結果、オープン初日、待ちに待って初めて鳴った電話が、
前勤務先の営業部長からの冷やかしだったそうです。
「やった! 初のお問い合わせだ!」
と、喜び勇んで取った電話がそれだと、
ガッカリしてしまいますよね。
その他にも、とんでもない嫌がらせを受けた例もありますよ。
前職のスタッフたちが、第三者や通行人を装って
人間バリケードの如く教室入口前に何人も立ちふさがり、
自分の教室に生徒が入れないように、妨害を受けた塾もあるのです。
この事例は、その後、裁判にまで発展しました。
また、出店場所を事前に知られたことで、
わざと隣に出店されることだってあります。
要は「潰しに」きているのです。
「漫画やドラマじゃないんだから、さすがにそこまではしないだろう」
と思われるかもしれませんが、すべて実際にあった話です。
残念ですが、同業で独立するというのは、こういうことなんですよね。
ですから、開業してからせめて1~2年は、あまり派手なことはせず
地味でもコツコツ運営していくのが懸命です。
ヒッソリと、と言うと語弊がありますが、
この期間にしっかり生徒さんに来てもらい、
自塾の良さを理解してもらって、地盤を固めておきましょう。
だからこそ、出鼻をくじかれないことも大切なんです。
余計な事に手を取られたり、
心理的負担を抱えたりするようなことを
あえてする必要はないと思いますよ。
同僚にも開業することは話さず、
あくまで「一身上の都合」で辞めるようにしてくださいね。
もちろん、私もそのように配慮しながら辞めたのですが、
私の退職後、前勤務先の会社では
「どうやら安多は沖縄に住んでいるらしい」
という噂も流れていたそうです。
「今、沖縄のどこにいるんですか?」
と元部下からよく電話があったぐらいですから。
「石垣島だよ」などと煙に巻いていましたが、
その時すでに宝塚市で「個別教育フォレスト」を開業していました(笑)。
正直、元部下たちに対して胸が痛む思いもするのですが、
私の及び知らぬところで勝手に「沖縄にいる」という噂が立つこと自体、
やはり恐ろしいことと言えます。
それなら、逆にそれを利用させてもらい、
その噂に乗っかっておいたほうが賢明だと判断したのです。
少しドライな感じで寂しい気持ちがするのも分かりますが、
独立する際は、これくらいの情報管理(操作)が必要です。
あなたを心から応援してくれる同僚であれば、
今は隠していても、数年後にあなたの開業を知った時には必ず
「独立おめでとう!」
と言ってくれるはずですよ。
【今日のまとめ】
開業を決意してから1~2年は、開業の意思(事実)を表に出さない