派遣元は違うのだが、夫婦で派遣社員として働き、寮費無料の案件を転々としている夫婦と知り合った
長野に住む(自分の周囲限定での)既婚者の話しであるが、県外や東京の大学に入学していったん長野を離れ、就職は長野県内
あるいは高卒で大手企業の工場に就職
共に30代で結婚して親からの支援もあって土地付き一戸建てを結婚と同時に持つ…
家を持つ=生活基盤は持ち家の住所が大半だと思う
が、その夫婦は違っていた
早ければ半年で派遣先を変え、その地に根差した生活基盤は無い
ふたりの生活はつつましいという言葉しかない
自分の知る限りタバコやギャンブルはやらず、外食もあまりせず、週末に夫婦で宅飲み
お揃いの毛玉だらけのトレーナーを部屋着にしている
ケンカはあるが、夫婦仲が決定的となる大喧嘩はしないそうだ
『子どもはどう…』
口に出す前に言葉を飲み込んだ
どんな過去でどう生きようと他人からいろいろと言われたくはないだろう
そしてこの夫婦が次の派遣先を決めたら、再び会うこともない
付かず離れずでいい
ただ、
この二人を羨ましいと思った
ひとりで生きてゆくよりも、ふたりで生きてゆく方がいいに決まっている
暗い部屋に帰った時、泣きそうになった