先日、漫画家の松本零士先生が他界された


宇宙戦艦ヤマト


銀河鉄道999


宇宙海賊キャプテンハーロック


新竹取物語1000年女王…


1970年代から1980年代にかけて宇宙を舞台にしたアニメーションの原作や制作に携わった、尊敬すべき作家だ



漫画家としては戦場まんがシリーズを半世紀に渡って執筆し続けていた


戦場帰りの父親の後ろ姿を見ながら育ってきたという背景がある



警察予備隊から保安隊を経て自衛隊となる際、彼の父親も戦友から国を守る仕事の誘いを受けたという


だが、彼の父親はそれを断った


日本を守るとはいうものの、装備は米軍のお下がりで、指揮命令系統も米軍の下にある


価値観の180度の転換を強要する国の下につきたくはなかったのだろう


もしかしたら、生活もラクになったかもしれない


が、


父親は戦後の混乱の中、赤貧に耐え、矜持を持ちながら天寿を全うした



松本作品の中のには、不器用で生き方が上手いとは言えない男達が、若い主人公を時には諭し、共に戦場に散ってゆく描写が心を打つ



かつてハーロックにこんな言葉を使って漢の生き様、死に様を現していた



『男には 死ぬとわかっていても行動しなければならない時がある…負けるとわかっていても戦わなければならない時がある』



昭和から平成そして令和と、先生はどんな思いで日本という国を見てきたのだろうか?



もはやご自身の口から語られることはない



作品の中から感じるしかないのだが…




『俺がただひとつ願うことは、最期に笑って死ねる人生だけ』



最期の逝く間際、先生は笑っていたのだろうか…