わたしは地球人Az-rider
高嶺ルビーという、鑑賞用に日本に持ち込まれた品種のそば
自分にはできない…
バイクに乗りこの地域を調査している
今回訪れたのは、
上伊那郡箕輪町 赤そばの里
そばだけに実は食用になるのだが、その収穫量は通常のそばの1/3ほどにすぎない
収穫量が少ないとなると必然的にその値段は高くなる
通常のそばと変わらない味と香りで値段が高いとなると作付面積が増えることはない
今後の品種改良の課題であると思う
ここに来る途中のコンビニで手に入れたパンと缶コーヒーで、
この赤そばの里でとある老いたゴールデンレトリバーと老いた飼い主に出会った
いろいろと仕込んであると言う
「おやつ食べたい?」
「わん!」
「3引く2は?」
「わん」
「1を英語で」
「わん」
・
・
・
・
ん(・.)⁈
仕込んである?
「まあまあ細かいことは気にしない」
「よーし、ご褒美」
と、おすわりの状態で『待て』をかけ、鼻の上にミニトマトを載せた
「まだよまだよ……はいヨシ!」
失敗した…
ミニトマトは鼻先に弾かれて転がってゆく
「前はちゃんとできたのにな…右目が悪くなってから、なかなか成功しないな…」
と、水筒の水でミニトマトをキレイにするとミニトマトを食べさせた
「お互い歳をとったよなあ」
と、愛犬の頭に手を置く
「いつあの世にいってもおかしくないけど、コイツを看取ってからでないとな…」
このふたり…どんな時を刻んできたのだろうか?
きっと、
お互いの存在が、どちらにも必要不可欠であったに違いない
「帰るとするか」
「わん」
仔犬や仔猫を平気で捨てる心の無いヤツもいれば、共に生きる生命、その別れの瞬間にまで責任を全うする人もいる…
共に過ごすことで得られる良いモノもあろうが、必ず来る別れの時…
喪うツラさに耐えられそうにない…
残していたコーヒーを飲み干し、空き缶をジャケットのポケットに押し込む
せめて、この老人と老犬に
これより先の時間が穏やかで楽しい時間であることを祈ろう…
この素晴らしき、ロクでもない世界…
缶コーヒーPOSS