わたしは地球人Az-rider
バイクに乗りこの地域を調査している
今回訪れたのは大町市
後立山連峰の登山口でもあり、立山黒部アルペンルート 長野側の出発点でもある
大町市街地は桜が満開だが、市街地から北へ約6kmの木崎湖での桜は、三分咲きくらいだ
湖の近くのコンビニで、パンとコーヒーの昼食を摂っていると、大きな身体の外国人(白人)が満面の笑みで、
「R1ネ」
と自分に話しかけてきた
「ワタシ、モーターサイクル乗ってたネ、デモ今、奥サン許してクレナイネ…」
奥さん日本の方?
「ソウ、とっても強いネ」
鬼嫁?
「Oh! オニヨメ‼︎ That's right!」
(鬼嫁とか言いながらなんだその嬉しそうな顔は?)
「ニホンゴ優しい…Englishコワイ Damon Wifeね」
(いやいや、鬼嫁も10年くらい前までそのまんま怖い言葉だったぞ?)
彼の持つスマホが鳴った
「奥サン!」
(だから、なんだその笑顔は!)
「OK、買っテ帰ル」
電話に応え、ニコニコしながら自分の車に向かう
大きな身体だ、その身体に合った大きなSUVに乗るかと思ったが、隣りに置いてあった随分と使い込んだ軽自動車に、大きな身体を折りたたむように乗り込んだ
「奥サン、使っテた軽、今はワタシ使ってル」
(だから、なんだその笑顔は!)
軽自動車を普段の足に使うあたり、だいぶ日本に馴染んでいるとみえる…
手を振るのに自分も応えた
結婚して、右も左もわからない日本に来て適応して…
果たして自分に同じことができるだろうか?
それだけでも尊敬に値する
なんだかんだと言いながら、奥さんの掌の上で転がっていた方が夫婦は幸せなのだろうか?
そんなことを感じようもない自分が、少し哀しくなった…
この素晴らしきロクでもない世界…
缶コーヒー POSS

