バイクの冬眠を決めたすぐの土曜日
でもそれが出来ないのも人だ
気温は低めだがとても良い天気だ
冬用のしっかりした装備なら、凍えることもない…
車からバッテリーをジャンプして、バイクを走らせることも考えた…
しかし、一度完全に上がったバッテリーは、いくら充電しても元に戻ることはない
バイクで出かけるとなるとエンジンは切れず、コンビニ休憩もできない
なので、おとなしく部屋でゲームをする
引っ張り出してきたのはPS2
エースコンバット ゼロ
オープニングは、取材者と取材対象者の対話で始まる
主人公の相棒でもあり敵でもあった、『片羽根の妖精 ピクシー』の語りとフラメンコギターの旋律に乗って物語りは始まる
「知ってるか?エースは3つに分けられる
強さを求めるヤツ…
プライドに生きるヤツ…
戦況を読めるヤツ…
この3つだ…
ヤツは、確かにエースだった…」
主人公と相棒 ピクシーの前に立ちはだかる数々の好敵手
そして、
短いオープニングの中に、考えさせられる言葉が散りばめられている
「よう相棒、いい眺めだ…
ここ(空)から見ればどの国もたいして変わらん」
「誰もが正義となり、誰もが悪となる…そして誰が被害者で、誰が加害者か…いったい『平和』とはなにか?」
「この戦いは、どちらかが死ぬまで終わらない」
「受け容れろ小僧、これが『戦争』だ!」
ゲーム中のセリフにも、切ない言葉がある
味方の大半を失い、命からがら帰還した主人公とピクシー
ピクシーが嚙み締めるように言った言葉
「上(作戦司令部)からしてみれば、俺達(傭兵)の替わりはいくらでもいる」
世界を変えんとし、戦略核すら使おうとする陰謀に加担し、主人公の元を離れるピクシー
最後の、そして最大最高の敵として主人公の前に、最新鋭機『モーガン』に搭乗して現れる
激闘の末にピクシーを撃墜すると共に陰謀を打ち砕いた主人公『円卓の鬼神』
物語りはエンディングに…
映像は取材する者とされる者
再びピクシーがカメラの前で語る
「世界に境目なんて必要ないかもしれない
でも無くすだけで変わるんだろうか?
世界を変えるのは人を信じる力なんだろうな
信じあえば憎悪は生まれない…
でも無くすだけで変わるんだろうか?
世界を変えるのは人を信じる力なんだろうな
信じあえば憎悪は生まれない…
でもそれが出来ないのも人だ
俺はまだ戦場にいる
国境の近くだ
国境の近くだ
確かめたいんだ 国境の意味を…
そしてそこで生きる人間の意志を…
ここに答えなど無いのかもしれない
でも探したいんだ
でも探したいんだ
そう…
今はそう思う、それでいいと思う…
この映像はあいつも見るのか?
会ったら伝えてくれ
よう 相棒 まだ生きてるか?
ありがとう 戦友
ありがとう 戦友
またな…」
円卓の鬼神
ベルカ戦争を駆け抜け、畏怖と敬意の狭間で生きた戦士
『彼』はたった数ヶ月の間だけ空に存在した
その後の消息は不明、ついにその人間性にまでは迫れなかった…
ただ、『彼』の話しをするとき、皆少し嬉しそうだった…
それが答えなのかもしれない
ゲームではあるが、戦争を題材にしている
製作者側の込めるメッセージは伝わってきた…
戦争なんて、ゲームの中だけで充分なのだ
