夢に破れた男が自分に言った

「なんのために生きてんですか?バイクに乗るためですか?バイクで遠出するためですか?」

大事なことではあるが全てではない

「俺には夢が全てだった、人生の半分をそのためだけに費やしてきた」

「もう、俺にはなにもない…空っぽなんですよ……生きている意味すら……」

人は生きているだけで価値がある
生きてさえいればそれでいい

「人はパンのみに生きるにあらず…ですよ…」

人が夢を追いかけられるのも命あってのことだ…あの世で夢を追えるのかどうかわからない以上、現世で追うしかない

「これ以上の夢なんて…」

時間はかかるかもしれないが…見つけてくれ…
夢を追いたくても追えない人がいる
生きていたくても命に期限のある人がいる…

今は空っぽかもしれないが、ゼロではない
命がある!
そして生きてさえいれば、また新しい夢が追える

「口ではなんとでも言える」

そうだ、言葉や理屈にすると“今のキミ”には薄っぺらく聞こえるかもしれない

夢を…諦めたんだからな…

自棄だけはおこすな

「……」




「なんのために生きている」

か…

けっこう堪える問いだったな…