松田直樹 | 森岡隆三 オフィシャルブログ 「Ryuzo MORIOKA」 Powered by Ameba

松田直樹

なかなか整理がつかず、というか今もついたというわけではないけど、

前を向いていかなくてはと思う。

いっこ下だけど、一度も「さん」づけで呼ばれたことはない、でも憎めない
どころか心地が良かった。やんちゃで、ときどき弱気なとこもあるけど、
頼りになり、男前で、おっちょこちょいで、とにもかくにも最高にいい男だった。
弟のようであり、頼りになる兄貴のようでもあり、いい友達、相棒だった。

マツへの想いを毎日新聞のコラムを介して言葉にしてみた。






 松田直樹が逝ってしまった。サッカーを心から愛し、楽しみ、多くの人に
夢と希望を与え続けた彼は、人生というフィールドをも駆け抜けるかのように、
最後は彼を愛する多くの人々に見守られ、見送られて旅立った。享年34、
穏やかなとてもいい顔だった。

 彼とはユース代表で出会い、20年ほどの付き合いだった。初めて彼の
プレーを目の当たりにしたときの衝撃は忘れもしない。高さ、強さを兼ね
備え、なおかつ柔らかい、本当にスケールの大きな選手だった。
ワールドユースで強豪国にも物おじせず、相手に挑みボールを奪ってしまう。
「こんなヤツがいるのか」。やや挫折感を味わいながらも、見ていてとても
ワクワク、興奮したのを覚えている。

 Jリーグでの対戦だけでなく、シドニー五輪、アジアカップ、コンフェデレー
ションズカップ、日韓ワールドカップ、といくつかの大会をともに戦ってきた。
彼抜きで大会を振り返るのは難しい、それほどに彼の存在は大きかった。

 サッカーが好きだというのが全身からにじみ出るかのような情熱、魂の
こもったプレーで皆を引っ張り、見ている者の魂をも揺さぶる、全身で
喜怒哀楽を表わす熱い男だった。

 彼が日本のサッカー界にもたらしてくれた功績は決して忘れてはいけない。
 彼が日本のサッカー界に与えてくれた、夢、希望、そして何よりも熱い
情熱を、魂を決して絶やしてはいけない。

 マツと組んでプレーをするのが好きだった。
 マツのプレーを見るのが好きだった。
 マツが好きだった。
 マツとプレーできたこと、本当に誇りに思う。
 
 青いユニフォームのよく似合う、
 サッカーボールのよく似合う、
 笑った時に見える八重歯のよく似合う、
 永遠のサッカー少年、
 日本最高のディフェンダー!

 松田直樹を決して忘れない。