坂上どうぶつ王国と老犬ホームと | 野に咲くすみれ(r-m-m-mama-2)のブログ

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 昨日は坂上どうぶつ王国を見て、ずっと涙が止まりませんでした。今日のテーマ「老犬ホーム」、わたしにも思い出があるんです。

 

 15歳を過ぎてめっきり弱り寝たきりになったボーダーコリーの愛犬マルを、癌で仕事を辞めた夫がずっと介護をしていました。夫はすでに退職し、そのころは1回目の手術が成功し予備の抗がん剤治療も終わり比較的体調の安定しているときでした。でも、初めての介護で、知識もなく道具もなくうまくいっていませんでした。今ならネットでいろいろわかるし道具も多いです。そのころは、相談する人もおらず試行錯誤でした。しかも寝たきりの犬を外飼いしていたんです。室内で飼うという発想がなぜかできませんでした。どうして家の中で飼おうと思わなかったのか、それだけが後悔してもしきれません。カラスに餌を取られ、排泄で汚れても頻繁には洗えず、なんとかしてやりたくてなにが1番いいか夫婦でとっても悩みました。でも、室内で飼うという発想はやっぱりありませんでした。犬は外、まだまだそういう時代でしたが、今もこの後悔がとても大きいです。

 そんな時に日本にも老犬ホームができているとテレビで知りました。調べると家から車で1時間半のところにありました。ここなら頻繁に会いに行ける、プロに頼もう、と預けることにしました。

 夫は毎日会いに行きました。でも、マルはわたしたちに反応しませんでした。夫には全く、私には少し、娘にだけしっぽを振ってくれました。怒っていたんだと思います。大好きなお父さんに捨てられたんだと。いつも夫を見て夫を待っている子でしたから。そんなある日、「今日は初めてすごく喜んでしっぽを振ってくれた。」と言って帰ってきました。「やっと許してくれたね。」と喜んだその日の深夜、ホームから電話がありました。「息遣いがおかしいので、今夜がやまかもしれない」と。きっと自分が死ぬことがわかっていたんだと思います。次の日私たちは間に合いませんでした。もう会えないから、昨日はお別れを夫にしてくれたんだと思います。

 老犬ホームでは再び立って少しですが歩けるようになっていました。プロのお世話と老犬ホームの同じ入居犬たち仲間の力だと思います。老犬ホームはきっと楽しい場所だったはずです。いただいた写真ではいつも笑顔でしたから。それでも老犬ホームは、お父さんには、かなわなかったし、ずっとお父さんといっしょにいたかった、マルの願いが切なくて切なくてかなえてやれなかったことは今も辛いです。

 

 虹の橋のたもとで夫を待っていたマルは、毎日大好きなお父さんといっしょにお散歩をしていることでしょう。

 

 長い長い思い出話につきあってくださってありがとうございます。