私が住む街グルガオンでは日本人の間でも最も人気のフォルティス病院が大事件を起こしました。デング熱で入院した7歳の少女が15日間の集中治療でも命が助からなかったばかりか、家族に160万ルピー (272万円) の治療費を請求したのです。ちなみにインドの給与所得者の平均年収は約200万円です。
少女の両親は、娘が重体であることは病院から知らされておらず、請求書には注射器660本と手袋1,600双が含まれていたと明らかにしています。一方フォルティス病院側は、少女は危篤状態で運び込まれ、検査や治療についてはすべて両親に伝えていた、と主張しています。政府保健省は実態を調査し適切な対応を取ることを家族に伝えました。
病院による医療費の過剰請求事例が後を絶ちません。とりわけ患者が会社の医療保険に入っていると、これがカモとばかりに過剰な検査や治療を行ないます。少なくとも2010年までは大手病院で保険加入者に対する上乗せ料金表が公然と使用されていました。
患者の方も勤務先の保険があると大船に乗った気持ちで、高額な個室での入院や先進の検査・治療を求めがちです。病院と患者の利害はそこで一致しているのですが、結果として保険会社の保険金支払は過大となります。それは会社が支払う翌年の保険料にたいていは上乗せされます。
インドの医療費上昇率は毎年15%以上と、経済成長率の2倍以上のペースで増加していると言われます。病院の過剰治療・請求を放置していたら、いずれ勤務先が社員のために契約する医療保険も保険料が上がりすぎて、給付の制限や自社保険制度自体の廃止にもなりかねません。病院独り勝ちの構造にメスを入れる時です。
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