何かを見て立ち止まり、我を忘れて見とれ、立ちすくむ。
…そういうことをしなくなった人は死んだも同然だ。目は開いていながら、実は閉じているのだ。
ー アルバート アインシュタイン
略歴:ドイツ生まれのユダヤ人の理論物理学者。20世紀最大の物理学者とも、現代物理学の父とも呼ばれる。特殊相対性理論と一般相対性理論が有名。光量子仮説に基づく光電効果の理論的解明によって1921年のノーベル物理学賞を受賞した。
自分の日常を振り返ると、驚くほど機械的で単調な生活をしているのに気がつきます。朝食を食べて、電車に乗ってFacebook をして新聞を読んで…電車の車窓からの風景は住宅街と商店街ばかりで、これといって見たいものもありません。オフィスに着いてパソコンを立ち上げて…もうすっかりパターン化しています。多くのサラリーマンは、まぁこんな感じでしょう。
都市部に住んでいると、世の中がビルと車と人でできているように錯覚しがちです。意識して郊外に出向かなければ、山も海も田園風景も見ることがありません。実は気がつかないうちに心がとても乾いているのではないでしょうか。人はもともと豊かな自然に囲まれて生きてきて、日々それに感動し癒されてきたはずなのに。
そんな無機質なコンクリートに取り巻かれての日常ですが、心の持ちようで潤いを取り戻すこともできます。休日に家の近所を夫婦で散歩していると、思いもかけないところで可憐に咲く花を見つけることがあります。たいてい花の名前もわかりませんが、実に精一杯咲いています。少し目を遠くにやれば、水面に夕日がきらめく多摩川。そんな時、自然が一番、人を癒してくれるのだなと改めて思います。美しいものに気がつく心のゆとりは、いつも持ち続けたいですね。季節の折々に心を奪われるような光景に出会いたいものです。