鎖につながれて正しく歩むよりも、自由のうちに誤って歩むほうが人間にとっては、ましである。
ー トーマス ハクスリー
略歴:イギリスの生物学者。チャールズ・ダーウィンの進化論を弁護した。
誰でも、できれば正しく歩みたいのですが、ついつい誤ってしまいますよね。人生は過ちの連続です。「鎖につながれて」と言うのは、周りの人の言いなりになって生きることだと思います。
自由に、間違えながら生きるのも悪くはないと思いますね。人は間違いから、最も多くのものを学ぶのです。誤りは貴重な成長の契機です。誤りの経験を大切にしましょう。誤りを受け入れられたら、きっと人生が豊かになりますよ。
私は北海道の田舎で育ちました。子供の頃の遊び場は山・海・川でしたね。崖から転げ落ちそうになったこともあったし、川に流されそうになったこともありました。親が聞いたら卒倒しそうな、冒険の日々でした。今思えば、あの野生的な日々が自分のチャレンジ精神の源になっている気がします。
昨今は世の中が物騒になったせいか、子供の屋外の遊び場は公園で、周りで親が見守っているとか。親にしょっちゅう「そんなことしちゃダメ!」と言われたら、子供は間違いをやらかすチャンスがありませんね。
人は自ら体験する誤りから、生きる上での教訓を学ぶのでしょう。人に迷惑を及ぼす犯罪的行為は論外ですが、そうではない、リカバリー可能な誤りは犯しうる余地を持ちたいものです。
動物園の檻に飼われる野生動物は、人間の言うことを聞いていれば無難な一生を送れます。しかし、もしも何らかの事情で、アフリカのサバンナで野生動物として生きることになったら?天寿を全うできる可能性は低いでしょう。
人間社会も同じようなものです。親はいつまでも生きているわけではありません。子供はいつか野生の荒野に独りで歩み出さなくてはなりません。まだ親が見守れるうちに、子供は多くの誤りを犯しておくことが必要です。