パンフレットを見てどうしても行きたくなって、静岡の帰りに寄ってみました。

 

熱海から伊豆急で終点の下田まで

 

静岡の帰りにちょっくら寄るという距離ではないけど、海沿いを走る電車は気持ちいい。

 

 

電車の向かいの席にはつくもさんみたいな人が座っていますが、話しかける勇気はありません。

 

各駅電車で下田の一つ手前の蓮台寺という駅で降ります。

 

無人駅です。

 

そこからバスに乗って約10分程度でしょうか。

 

私はてっきり美術館に行く人がこのバスにたくさん乗っていると思ったのですが、お客さんは私のほかに1人だけ、私とは降りる停留所が違うようです。

 

まごまごしていると、ハイカーみたいなおじさんが、行き方を親切に教えてくれました。

 

旅の人よ、ありがとう。

 

降りる人も乗る人もいないバスは停留所をどんどん飛ばしていきます。

 

さて、降りた停留所から美術館まで、15分ほど歩きます。

 

なんとか行く方向を定めて、ゆるい坂をだらだらと上っていきます。

 

わずかに残るなまこ壁の蔵のある家が伊豆らしく、足元の側溝をどうどうと流れる水は澄んでいます。

 

日かげのほとんどない里山の道

通り過ぎるのは白い軽トラックばかり

 

お姉ちゃん、乗っていかない?とはだれも言ってくれない

だって、私はお姉ちゃんじゃないから

 

美術館らしき建物は見えつつ、隠れつつ

あれでいいのかと不安な気持ちで歩いていきます。

 

最後の坂はかなり急です。

 

 

上原美術館は、伊豆下田にある私立の美術館です。

 

 

主な収蔵品は大正製薬名誉会長上原正吉氏より寄附された仏教美術品と、次男の昭二氏より寄附された近代絵画のコレクションです。

 

 

リポビタンDでもうかったんだろうか

 

まずは近代館へ

《科学と慈愛》
ピカソ15歳のときの作品です。
 
 

《アニエール・洗濯船》
シニャック19歳
16歳のときに見たモネの作品に影響を受けているそうです。
 
 

《鎌で刈る人(ミレーによる)》
ゴッホが画家を目指した27歳のころ描かれたものです。
ゴッホはミレーをたくさん模写しています。
 
 

《森の中、サン=クルー》
ゴーギャンがまだ株の仲買人をしていたころの作品です。
 
 

ルノワール《横になった婦人》
 
 

《ウルビノ壺のある静物》セザンヌ
 
 

《アルジャントゥイユの橋》ルノワール
 
 

《水浴する人々》セザンヌ
 
 

《バラをつけたガブリエル》ルノワール
 
またまた、ルノワールとセザンヌになってしまう
 
 

《藁ぶき屋根の家》モネ
 
 

《ひまわりのある花束》ルドン
 
 

《女の顔》ピカソ

 

 

《キリストとの親しき集い、ベタニヤ》ルオー

 

 

夏の涼しき絵たち
 

上から、梅原龍三郎《牡丹》、須田国太郎《薔薇》、梅原龍三郎《薔薇図》
 
 

牡丹は牡丹さ

薔薇は薔薇だよ

でもひとりでは

生きていけない

生きていけない

(「牡丹と薔薇」中島丈博)

 

 

まだまだいっぱいあって載せきれません。

 

 

私設の美術館らしく、温かみがあってゆったり見られます。

 

 

眺めのいいラウンジでは無料のお茶がセルフで提供されます。

あー
くつろぐ
 
リポビタンDはないよ

 

 

別館の仏教館は近代館より広めです。

もともとこっちがメインなのかな。

 

 
 

 
 

 
 
『伊豆民間仏めぐり』より

 

 

伊東市・龍渓院《十一面観音像》室町時代後期ー江戸時代前期
 
頭の上にいっぱい載った仏さまは人形焼みたいでおいしそう
 
 
下田市須原・薬師堂《十二神将像(丑・寅・酉》江戸時代
 
真ん中の人の顔が味わい深い
100分de名著の人に似てるような気がする
 
ほかにもたくさんかわいい仏さまがおられたのだけど
 
これが一番気に入ってしまった。
 
1番!ってやってるみたいじゃないですか?
 
 
島々を車窓から眺めつつ帰路へ
帰りは踊り子号で、これも快適。
 
 

上原美術館

行くのは大変だったけど、とってもすてきな美術館でした。

 

 

最近思うのは、行こうと思ったらどこへでも行ってみるもんだということ。

なかなか難しいのだけどね。

 

 

おつき合いありがとうございます。