モネ展
東京会場は会期終了が近づいてまいりました。
土日は時間指定、来月からは平日も時間指定になる模様です。
混雑は想像どおり。
開場前から列ができています。
9時過ぎに現着しまして、先頭の人にお聞きしましたら、並んだのは8時半ごろとのことですから、大したことはないな。
事前にチケットを持っていればするすると入れます。
60点超、5部構成
そのうちの50点がパリのマルモッタン・モネ美術館所蔵ということですから、これは見逃せません。
モネは嫌いだの、モネはへたくそだのと暴言をはきまくって、唯一の友からあきれられている私ですが、やっと気づきました。
私はモネを知らなかった。
いや~見ごたえありましたよ。
行ってよかった。
今回の展覧会で展示されている作品は、すべて1890年、50歳になったモネが、ノルマンディーの小村ジヴェルニーの土地と家を買い取り、これを終の棲家とした以降に描かれたものです。
モネが同じ構図で移りゆく光をさまざまに表現したことは、みなさま、ご存じのとおり。
14枚のカンヴァスを並べ、同時に描いていたこともあるそうです。
あーびっくり。
1室はセーヌ川から睡蓮の池へ
モネはロンドンを三度訪れ、チャリング・クロス橋を繰り返して描いてます。
それも展示されていました。
皆さん、睡蓮がお目当てなのか、橋は空いていてよかったです。
特に同系色で描かれた地味なものが好みでした。
じっくり見てると涙が出そうになるよ。
なんで?
ひろしま美術館の〈セーヌ河の朝〉と国立西洋の〈セーヌ河の朝〉が並んで展示されているのもよかったなあ。
モネって、並べるとまたいい。
2室は水と花ですね。
モネのお庭にあったという〈藤〉が、ぼんやりかすんでてよかったです。
こちらも大きいのが2枚ならんでました。
どちらもマルモッタン。
アガパンサスも好みでした。
アサヒグループ山崎山荘(京都)の〈睡蓮〉もあったんですが、これは何とも不思議な感じ。
説明書きを読みましたら、なんでもモネは池のふちに立って描いたんだって。
まあ、読んでも、だからそうなるというのがよくわからない(笑)
そして、3室、大装飾画への道
オランジュリー美術館を模して、楕円形のお部屋がつくられています。
ここだけ撮影可能。
4 交響する色彩
池と栁、日本の橋などです。
大壁画の構想段階の下絵みたいなものもあります。
ぱっと見抽象画のようでもあるんですが、ちょっと離れて見ると、ちゃんと景色が浮かぶところがやっぱり抽象画ではない。
印象派というのともまた違う感じで、好みです。
〈日本の橋〉も、極みの赤、みどりのタヌキみたいのもあって、すごく楽しい。
◇◆◇◆
モネが「睡蓮は添え物」と言ったというのをどこかで読みました。
モネが描いたのは光や水だったんですね。
水は命、それをキャンバスに描き固定することは、ある意味、死を意味するんじゃないか。
人は必ず死ぬという動かしがたい事実に抗いながら、筆を動かしていたのかなあなんて想像しましたが、モネは昔の人だし、きっとキリスト教だから、私とは死生観もまた異なるでしょう。
そして、絵を通して語りかけてくるおっさんは、これからも生き続けるんだろうなあ。
本日もおつき合いありがとうございます。