2019年11月30日

山と渓谷社

 

東京の下町、商店街の商家で育った筆者にとって、懐かしい景色。

それは、小学生のとき、学童疎開をしている間にすっかりなくなってしまったそうです。

 

そのことがかえって、かつての街が鮮やかに心に残ることになり、長じて、建物を見て街を知る習慣になったのではないか、といいます。

 

札幌、小樽、旭川から鹿児島まで、全国30か所の建物散歩です。

 

建築物や町並みはイラストで描かれます。

 

写真よりも全体像がわかって、いい感じ。

 

浅草、上野、横浜など、行ったことがあっても、見ていない建物もあります。

 

明治11年築の山形市郷土館(旧済生館本館)なんて、ちょっと変わった建物です。

 

 

 

手書きの地図に建物散歩のルートが示されます。

 

歩行距離や所要時間の目安も載っていて、実際に歩いてみたくなります。

 

 

◇◇◆◇

 

 

「加賀百万石の城下町・金沢は戦災に遭わず大規模都市改造もなかったので、藩政時代そのままの建物や明治の西洋館、大正から昭和初期のモダン住宅、戦後の現代建築と、近世から近代の建築史を実物でみることができ」る、極めて珍しい建築散歩向きな街だそうです。

 

行ってみました。

 

 

 
金沢駅前・鼓堤門(もてなしドーム)
でかすぎて、全体は撮れない(わたしの技術では)
 
 

何でもない商家さんにも趣がある
 
 
〈旧高峰家・旧検事正官舎〉
高峰さんはアドレナリンの発見で世界的に有名なんだそうです。
 
 
の、向かいのカフェ
 

金沢城の門
 
 

〈兼六園〉
 
 

兼六園といえば雪吊りですね

 

 

 

 

〈成巽閣〉
加賀前田家の奥方宅だそうで、中も観られます。
 
 

◇◇◆◇◇

 

 

あとがきにも1枚の手書き地図があります。

 

筆者の生家があった日本橋界隈を、筆者とお母さんの記憶を基に描いたもの。

空襲で焼けた筆者の生家は和菓子屋さんです。

 

ん?

 

和菓子の立花屋?

 

もしかして、小林信彦さんの生家じゃない?!

 

ああ、ここでやっと気づく私。

 

小林泰彦さんって、小林信彦さんの弟さんなんですね。

 

「オヨヨ」シリーズの挿絵も描いていたのだとか。

 

 

 

1938年に撮られた家族写真には、信彦さん5歳、泰彦さん3歳が、ご両親とともにおさまっています。

 

信彦さんはスペイン風の衣裳、泰彦さんはナチスドイツの空軍の制服を着せられています。

時代ですねえ(笑)

 

 

環境は建物からできているので、建物に親しむことでその土地に近づくことができる。建物がおもしろい町は、その町もきっとおもしろい。そのココロで旅をすると建物がみんな生きていて話しかけてくるので、どこまで旅しても飽きることがない。(まえがきより)

 

 

京都はさすがに見どころが多く、京大~蹴上、京都御所周辺、京都七条通の3か所

神戸は神戸海岸通、北野・山本通の2か所が掲載されています。

 

 

 

 

 

おつき合いありがとうございます。