2024年9月11日
小学館
銀座一丁目にある森岡書店。
存在だけは知っていたんです。
だけど、行こうという気にはならなかった。
「銀座で一番小さな」を語るだけあって、面積はたった5坪。
一冊の本だけを売るというスタイルです。
一冊の本が積まれた狭い書店にひかえているのは、こだわりの強そうな店主。
入店するにはハードルが高そうです。
本書に書かれたスキンヘッドのいきさつには、失礼ながら笑いがこみ上げます。
意外とおもしろい人だったんですね。
小学館「本の窓」、「小説丸」に連載されたエッセイが収録されています。
一冊の本だけを売るという本屋が実現できたいきさつや様々な人との交流。
なかでも、伊藤晃という無名のカメラマンが撮った、1964年の銀座の写真を写真集として出版する話がおもしろかったです。
伊藤晃さんの写真は街のある部分が切り取られて、それが銀座のどこかちょっと見わからないんですが、森岡さんが次々と場所を特定していく過程もちょっとスリリング。
銀座って、ゴジラに破壊されたとばかり思っていたのですが、古い建築物も結構残っているんですね。
それも、どんどん消えてはいるのですが。
森岡さんの妄想のようなアイディアも楽しいです。
おつき合いありがとうございます。