2024年4月23日発行
サンクチュアリ出版
 

東大卒の32歳

職を失い離婚して、実家のふとんから出られなくなった、しんめいPさん

 

「働く意味」がわからない

がんばりたいのにがんばれない

 

そんな虚無感をなんとかしようと、読み始めた「東洋哲学」

 

ブッダ、龍樹、老子・荘子、達磨、親鸞、空海

 

noteで、『東洋哲学本50冊よんだら「本当の自分」とかどうでもよくなった話』を連載すると、たくさんの人の共感を呼んだ。

 

そこから、出版まで3年かかった渾身の著作です。

 

 

自分なんてない ブッダ

 

この世はフィクション 龍樹

 

ありのままが最強 老子と荘子

 

言葉はいらねえ 達磨

 

ダメなやつほど救われる 親鸞

 

欲があってもよし 空海

 

 

どの教えもすんなり心に入ってくるのは、日本人ならでは昭和の人間だから?

 

隣のおばちゃんとか、裏のおばあちゃんとかが話してくれた〈たいせつな教え〉という感じがします。

 

本書を読んで、私が心底ホッとしたのは、次のくだり

 

 

幻術士が幻をつくり出して、次いで消し去ったときには、なにも存在していない。

『大乗についての二十詩句篇』17

 

これは「空」を説いた龍樹さんの言葉です。

私は龍樹という人をまったく知らなかったのだけど、本書で紹介される龍樹さんはなかなか魅力的。

 

「空」について、著者はこんなふうに説明します。

 

 

「別れ」は、かなしいけど、同時に解放でもあったりする。

「自分」という存在が、世界ごと消滅してしまう。

「恋人と別れたら、死ぬ」とか、思ったことある人いるかもしれないけど、わかれたあと大体みんな健康に生きてるやん。

 

 

「別れ」は「解放」

 

ああ、救われた

 

 

すみません、何かわかりにくくて

 

私もいろいろありまして……

 

 

 

「道」(タオ)から学ぶ婚活術とか、「他力」を使って本を書くとか

 

著者が自分の体験も踏まえて、今の時代にぴったりの東洋哲学を展開してくれます。

 

 

哲学って実践なんだなあ

 

実践と言っても、見方を変えるとか、そのぐらいのことで息をするのが断然楽になる。

 

 

来年から、高校の倫理の教科書はこれにしたほうがいいです。

 

 

著者が、気に入ったページがあったらスクショをアップしてもらうのも大歓迎とおっしゃっていて

 

どれもおもしろくて悩むのだけど

 

私が特に気に入ったページを

このひと自身に「実体」はない
とのキャプションがある「このひと」
 

だれなのか、とても気になる

 

 

著者のしんめいPさんらしき人

 

編集の大川さんの写真もなごみます。

 

 

ここ最近で一番楽しくてためになる本でした。

 

 

 

 

 

おつき合いありがとうございます。