2024年7月に読んだ本です。


生きるということ――モンテーニュとの対話生きるということ――モンテーニュとの対話

モンテーニュを読んで考える。考えたことを書く。味わいのある文章。いつか読もうと思って積んでいた『エセ―』も少し開けた。
読了日:07月26日 著者:海老坂武

 


60歳で家を建てる

60歳で家を建てる

30代で最初の家を建てて30年、60歳でそのときの身の丈に合った家を建てたらどうでしょうという提案。「日本人は一度家を買ってしまうと35年の住宅ローンの呪縛が解けないまま、思考が停止してしまい、その先に待っているリタイア後の生活を人生の店じまい的に過ごしてしまうことが多いように思える。まるで閉店間際の在庫一掃セールのようで、実に寂しい」建てるのは1000万円くらいの田の字型の平屋。建築家のエッセイとしても楽しめた。
読了日:07月25日 著者:湯山 重行

 


今さらだけど、アドラー心理学を実践してみたらすごかった!: 普通の会社員が人生を変えた12ヵ月今さらだけど、アドラー心理学を実践してみたらすごかった! 普通の会社員が人生を変えた12ヵ月 (大和出版)

会社員をしながらアドラー心理学に基づくコーチングに出会い、「なりたい自分」を実現していく体験記。自己啓発の源流と言われるアドラーが、実践してなんぼということが改めてよくわかった。
読了日:07月24日 著者:小泉健一

 


老いる意味-うつ、勇気、夢 (中公新書ラクレ 718)

老いる意味 うつ、勇気、夢 (中公新書ラクレ)

老人性うつと認知症を克服って、そんなことができるんですね。80歳を過ぎれば物忘れは自然なこととあきらめるのが普通でしょうが、「私が作家である」と、言葉をノートに書きだして、言葉を失うまいとする執念。2章以下は老いについて思うところを書きとめたという感じなのですが、健康について、眠りについて、読書について、印象に残る言葉がたくさんありました。「八十代になってからは集中力を維持できるのが三時間くらいになった」だって。すごいね。
読了日:07月22日 著者:森村 誠一

 


人間はどこまで家畜か【NFT電子書籍付】: 現代人の精神構造 (ハヤカワ新書 019)

人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造 (ハヤカワ新書)

「自己家畜化」という言葉は初耳だった。野生の動物のうち人を恐れないものが進化してイヌやネコになったように、人間の先祖にも自己家畜化が起こっているという。高密度な集団、共通のルールを守って暮らせる、攻撃性や不安を抑えていられるというのは動物としてはすごい性質で、ヒトはこの性質をもつように進化してきた。著者が懸念するのは、社会の進歩のスピードに動物としてのヒトが追いつかず、生きづらさや社会からの援助や福祉を必要とする人が増えているということ。ここ最近読んだ中で、最も刺激的だった。
読了日:07月21日 著者:熊代 亨

 


ガザに地下鉄が走る日

ガザに地下鉄が走る日

誰が悪いの?となると、ディアスポラを強いたローマなのか。そもそも「うなじのこわい」イスラエル人が周囲との衝突を避けられない民族なのか。歴史的背景や宗教、政治など、問題は複雑に絡み合う。それにしても、本書であぶり出されるパレスチナ人の過酷な状況には慄然とする。「ガザに地下鉄が走る日」いつか来るのだろうか。
読了日:07月21日 著者:岡 真理

 


人間の証明 (角川文庫)

人間の証明

歴彦さんの「証明」を読んで、「読んでも見てもいなかった」こちらも手に取った。感想はずばりすばらしい!父を米兵に惨殺され、人間全体に復讐するために刑事になった棟居の心の奥底に眠る「人を信じたい」という気持ちが犯人の自白を引き出す。子を捨てた母親、クズ息子、米兵……背景を知ればそうなるのも仕方ないと思える。本書で一番のクズは後半、遺体を発見したアベックの男ですね。こいつは許せない(笑)
読了日:07月19日 著者:森村 誠一

 


人間の証明 勾留226日と私の生存権について

人間の証明 勾留226日と私の生存権について

身に覚えのない容疑で逮捕され、手錠をかけられ、腰縄をつけられる。容疑を否認している間は身柄を拘束され、その間は犯罪者のように扱われる。何とも理不尽な日本の司法制度は再三問題視されてきた。検察も裁判所も強大な権力を背景にちょっと考えればわかるような人間らしい扱いができない。拘置所の医師でさえも……。検察の情報を垂れ流し、人権を侵害して平気なマスコミにも腹が立つ。この国で暮らす以上、誰もが巻き込まれる可能性がある。司法の在り方、真剣に考えたい。
読了日:07月18日 著者:角川 歴彦

 

 

意識をゆさぶる植物──アヘン・カフェイン・メスカリンの可能性 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズⅣ)

意識をゆさぶる植物──アヘン・カフェイン・メスカリンの可能性 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズⅣ)

アヘン、カフェイン、メスカリン。それぞれ鎮静剤系、興奮剤系、幻覚剤の三種類の植物由来の物質で、精神活性物質から人が得られる体験の種類がほぼ網羅できるという。アヘンの栽培からメキシコでのメスカリン体験まで、筆者自身が薬物を試して得られる感覚を描き出す。現代人の多くが中毒しているというカフェインについては、カフェイン抜きと再開の影響をレポート。薬物と人との関わりの歴史、植物の生存戦略など、様々な視点からの考察が固定観念をゆさぶる。毒にも薬にもなる植物由来の物質。それを違法と断罪するのはいつも時の権力だ。
読了日:07月16日 著者:マイケル・ポーラン

 


金を使うならカラダに使え。 老化のリスクを圧倒的に下げる知識・習慣・考え方

金を使うならカラダに使え。 老化のリスクを圧倒的に下げる知識・習慣・考え方 (幻冬舎単行本)

ホリエモンももう51歳。健康に気をつける歳になったということですね。●健診に金を使え●運動をしろ●視力・聴力といった知覚力を保つことによって認知機能の低下を防ぐなど、専門家から話を聞いてわかりやすく伝えてくれる。抗加齢医学研究者の黒尾さんの腎臓の話は、著書を読んでもスッキリわからなかったところが理解できた。自身の体験談も参考になる。今のところアンチエイジングにも限界があると思うが、とりあえず、大腸内視鏡検査は受けてみようかな(笑)
読了日:07月14日 著者:堀江 貴文

 


投資のプロが明かす 私が50歳なら、こう増やす! (幻冬舎新書 709)

投資のプロが明かす 私が50歳なら、こう増やす! (幻冬舎新書)

新NISAを使った投信積立も50歳からでは遅いのではないかと思ったが、70歳まで20年、そこから老後のお金が必要になってくる可能性は十分考えられる。かつてなく金融商品が充実している現在、著者のポートフォリオは今の時点で完璧なように思う。個別株はおもしろいので、ちょこちょこ続けたいけど、自分の運用成績でも抜群にいいのは投信(笑)あとは実行のみですね。
読了日:07月12日 著者:朝倉 智也

 


なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書)

なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書)

本と読者の関係性を明治時代からたどるが、切って貼ったような文章から導き出される結論には同意しかねる。この本が売れているのは、「疲れてスマホばかり見てしまう」人が多いからだろう。その結論が、「スマホの情報にはノイズがないから」では、がっかりではないか。本を読めない理由は人それぞれだろう。本当に自分がしたいことをする時間をスマホに奪われているなら、それは一人一人が考える必要があるということだろう。
読了日:07月11日 著者:三宅 香帆

 


太陽の地図帖 楽しい古墳案内 (別冊太陽 太陽の地図帖 23)

太陽の地図帖 楽しい古墳案内 (別冊太陽 太陽の地図帖 23)

文句なしに楽しいです。ムック本は大きくていい。
読了日:07月07日 著者:

 


経済評論家の父から息子への手紙: お金と人生と幸せについて経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて

途中から遺書みたいだなと思ったら、山崎さん、亡くなられたんですね!文字通り、父が息子に送る手紙。ユーモアと愛情にあふれた文章で、幸せな人生とお金についてつづられています。「評論のコツは利害と好き嫌いの棚上げ」とか「承認欲求によるマインドコントロール」に気をつけることなど、なるほどと参考になりました。が、「モテるコツは話を聞くこと」には、ちょっと?山崎さん、そんなにモテなかったに違いない(笑)ご冥福をお祈りします。
読了日:07月03日 著者:山崎 元

 

 

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