2024年3月12日発行

東洋経済新報社

 

 

著者が理事を務める日本リカバリー協会の就労者10万人を対象とした調査によると、ここ数年は全体の約8割が疲労を抱えて生活しているそうです。

 

1999年の厚生省による60代までの就労者を対象にした調査では、「疲れている」と答えた就労者は全体の約6割。

 

対象も調査機関も異なりますから、単純に比較はできませんが、まあ、増えてると著者は言いたいんでしょう。

 

日本リカバリー調査のほうで見ていくと、一番疲れているのは若い女性。

 

20代では89.5%が「疲れている」

30代ではなんと90.7%が「疲れている」と回答しているそうです。

 

 

疲労とは何か

本書によると、疲労とは「体を動かしたり、頭を使ったりすることで、本来の活動能力が下がった状態」を指します。

 

疲労は病気につながるサインであり、放置すると慢性化する、つまりいつも疲れてる状態になってしまうということは、あらためて言うことでもないでしょう。

 

疲れを生み出すストレッサーが5つ挙げられます。

 

・暑い、寒い、うるさい、人混みなどの物理的ストレッサー

・郊外、薬物、化学物質などの化学的ストレッサー

・不安や緊張、失望、悲しみなおの心理的ストレッサー

・ウイルスや細菌などの生物学的ストレッサー。花粉症の原因となるスギ花粉なども含みます。

・家族関係、人間関係、お金などの経済的問題がもたらす社会的ストレッサー。

人によっては、これが一番大きなストレスになるかもしれませんね。

 

では、ストレスが加わるとどうなるのか。

・免疫がはたらかなくなる

・内分泌系の病気につながる

・自律神経がおかしくなる

 

自律神経のトータルパワーのピークは10代後半から20歳までだそうです。

40歳では半減し、60歳では4分の1。

何だか大変そうですが、要は交感神経と副交感神経のバランスをとることが重要みたいです。

 

このバランスのタイプが紹介されていておもしろいです。

 

【A】アクセルもブレーキもばっちりな「バランス良好タイプ」

【B】ブレーキがききにくい「がんばりすぎタイプ」

【C】アクセルがききにくい「だらだらタイプ」

【D】アクセルもブレーキもきかない「ぐったりタイプ」

 

さて、みなさんはどれかな。

 

 

最高の「休養」をとる

心身を鍛える「超回復理論」

あえて軽い負荷をかけて、活力を高める

負荷は軽いものから始めますが、その条件は以下のとおり

 

・自分で決めた負荷であること

・仕事とは関係ない負荷であること

・それに挑戦することで、自分が成長できるような負荷であること

たとえば、分厚い本を読破するとか。

・楽しむ余裕があること

 

守りの休養から攻めの休養へ

「睡眠(昼寝)」「休憩」などの休養ももちろん必要ですが、軽く体を動かすことも休養になるそうです。

・ウォーキング

・ヨガ

・ストレッチ

など、あくまで軽い運動ですね。

 

栄養について

「食べないこと」「食事の量を減らすこと」も体を休めることになります。

「腹八分目」で本当に寿命が延びると紹介されていますが、これは実験用マウスの話。

 

でも、食べ過ぎると疲れるというのは、中高年の方なら経験済みではないでしょうか。

「スイーツでは疲れはとれない」というのには、ちょっと耳をふさぎたくなりますが、ま、スイーツは心の栄養ということにしておきましょう。

 

新しい休み方

仕事が一段落しなくても、まず休む

キリのいいところまで、終わらせてしまいたいのが人情かもしれませんが、疲れる前に休んだほうが、後々効率がいいです。

 

これから疲れそうだから、先に休んでおく

これもいいですね。

備えあれば患いなしです。

 

疲労で休むのは仮病ではない

朝、会社に電話して「すみませ~ん、今日疲れてるんで休みま~す」

そんなこと言えるか!(笑)

 

言えるような社会になったらいいですけど、それまでは

なるべく疲れはためないように

疲れる前に休むを実践できたらいいのかな。

 

休みたくても休めないお疲れの皆さん、どうぞご無理のないように!

 

 

 

 

おつき合いありがとうございます。