主として20世紀前半までの「西洋美術」だけを収蔵/保存/展示している国立西洋美術館

 

しかし、松方幸次郎が、母体となったコレクションを始めたきっかけは、日本で油絵を描く人がお手本もないままなのを気の毒に思ったからだそうです。

 

展示室は未来の世界が眠る部屋である。

未来の世界の歴史家、哲学者、そして芸術家はここに生まれ育ち―ここで自己形成し、この世界のために生きる。

 

18世紀末、ドイツの作家ノヴァーリスが残した言葉を紹介し、国立西洋美術館がそのような「未来の世界が眠る部屋」となってきたかという問いを美術館自身、現代作家、そして見る人に投げかける企画。

 

ということで、西洋美術と現代アートが並ぶ興味深い展覧会でした。

 

0.アーティストのために建った美術館?

杉戸洋 easel 2024年

 
1.ここはいかなる記憶の地場となってきたか
中林忠良の作品を中心に、ヴォルスや長谷川潔の作品がありました。
 

一緒に写すと小さくてしょぼいのですが、左はセザンヌ〈葉を落としたジャ・ド・ブッファンの木々〉
右は内藤礼
 
セザンヌ〈ポントワーズの橋と堰〉と松浦寿夫

 
2.日本に「西洋美術館」があることをどう考えるか?

 
小沢剛による帰ってきたペインターF

もしも、藤田嗣治が戦後フランスじゃなくて、南の島へ行っていたらどうだったかとか、書いてあったな
映像もあって面白かったです
 
フジタの肖像画も一緒に展示されていました。
 
ロダン〈考える人〉
 
台座から降ろされ、横にして展示されています。
寝ている裸の男をいろんな角度から眺めるのはちょっと背徳的な感覚(笑)
 

写真左上は、オフィシャルパートナーである川崎重工に対して、イスラエルの武器の輸入の取りやめを要求するもの。
松方コレクションを築いた松方幸次郎は、川崎重工の前身である川崎造船所の初代社長を務めたそうです。
 
左下から2番目はロダンの横に横たわる女性
 
私がやってみたいと思ったことをやっていたので、代わりに写真を撮りました。
 
〈上野の大仏〉と〈震災で倒れた上野の大仏〉作者不詳
 
3. この美術館の可視/不可視の フレームはなにか?
布施琳太郎
 
田中功起
作品を展示する位置を車椅子/ 子ども目線にする
 
常設展で実際に行われていた展示
 
4. ここは多種の生/性の場と なりうるか?
鷹野隆大
ブロ友さんの記事で知っていたとはいえ、びっくりしたのは真ん中のゴッホ〈ばら〉
 
いやいや、こんなのデスクに飾ったら仕事はかどりそう(かな?)
本物ですよ!
 
右の棚に、同じ絵の絵葉書が置かれてるのがおしゃれ
上の絵はムンクの〈立つ男〉
 
ドニの〈水浴〉とブールデル の〈弓をひくヘラクレス〉
 
イケアっぽい部屋だなと思ったら、やっぱりイケアでした。
 
クールベ〈眠れる裸婦〉/鷹野隆大〈ヨコたわる裸婦〉
 
反─ 幕間劇 ─ 上野公園、この矛盾に充ちた場所: 上野から山谷へ、山谷から上野へ

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 

 
 

「ここに」「立って」というから
 
立ってみると

 
 
 
 

 

 

 

 

夜の上野駅
 
モネ展の会場前で清掃をする山谷の人たち?
 
5. ここは作品たちが 生きる場か?
からのモネ〈睡蓮〉ですね

竹村京
 
最低限の修復を施され残る〈睡蓮〉をオーガンジーの幕で修復した作品です。

 

 
エレナ・トゥタッチコワ
 
パープルーム

真ん中にボナール〈花〉
 

コラン〈花月〉
 
7. 未知なる布置をもとめて

辰野登恵子とモネ〈睡蓮〉
 
ポロック〈ナンバー8〉
 
梅津庸一
 
 
 
坂本夏子/ルノワール〈木かげ〉
 
シニャック〈 サン=トロペの港〉/坂本夏子
 
 
 

杉戸洋/ドニ〈ロスマパモン〉

 

現代アートも好きなので、なかなか見ごたえのある展示でした。

 

常設展も楽しかったし、同時開催でゴヤ〈戦争の惨禍〉全場面も見られたのですが、今日はこのへんで

 

おつき合いありがとうございました。