いつもおつき合いありがとうございます。

2023年12月に読んだ本を読書メーターさんでまとめてもらいました。


読んだ本の数は17冊です。
読んだページ数は352ページ。



家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択

家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択

「死ぬまで家事をやり続け、自分で自分の面倒をみて生きていく」「そのためには身の丈にあった暮らしをすればいい」稲垣流の暮らしはそっけないほどシンプル。お姫様のような暮らしを実現するため、自分で自分をもてなして疲弊しているという主張はそのとおりかもしれない。便利なものが家事を大変にする。「人生の可能性を広げない」など、刺激になった。
読了日:12月29日 著者:稲垣えみ子

 


世界史と地理は同時に学べ!

世界史と地理は同時に学べ!

とってもおもしろかった。ポーランドがなぜ周辺諸国にいいようにやられてきたのか。ニュージーランドの「ジーランド」ってどこか。地理がわかると歴史がスルっと理解できる・・・ような気がする(笑)
読了日:12月29日 著者:山﨑圭一

 


大石良雄・笛 (岩波文庫)大石良雄・笛 (岩波文庫)

ブロ友さんのおススメで。定説となっている英雄としての姿ではなく、生身の人間として揺れる大石の心中を描く。言われてみれば、平和な時代に家老として過ごしてきた中年男が何かをしようったって、慎重になるのはよくわかる。解説では、野上が本書を書こうと思ったきっかけとなったエピソードが記されている。野上も「良雄(よしとも)」ではなく「良雄(よしお)」だと思っていたらしい。
読了日:12月29日 著者:野上弥栄子

 


或日の大石内蔵助

或日の大石内蔵之助・枯野抄 他十二篇 (岩波文庫)

討ち入り後、沙汰を待つ間も安らかな満足感を覚える内蔵助だったが、江戸中で仇討の真似事が流行っているという噂を聞き、討ち入りに加わらなかった者が罵られるにつれて、心中穏やかでなくなってきた。さらに、自らの放埓のすべてを忠義を尽くす手段と激賞されるに至って、いたたまれなくなり……。とかく、世間は善か悪かの一辺倒に傾くものだ。人ってそんな単純なものじゃないという芥川の着眼が見事。
読了日:12月27日 著者:芥川龍之介

 


新装版 愛、深き淵より。

新装版 愛、深き淵より。

事故で、一瞬にして首から下の感覚を失った前途ある24歳の体育教師。命だけでも助かったのは、もともと屈強な肉体を日頃から鍛えていたからだろう。口にしたペンで文字を書き、絵を描く。彼の努力、母の献身、周りの支え、全てが貴い。「生きるというのは権利じゃなく義務です(三浦綾子)」何度も死にたいと思った人の赤裸々な心情の吐露が胸を打つ。涙なしには読めなかった。さわやかな涙。
読了日:12月27日 著者:星野富弘

 


ウィタ・セクスアリス (岩波文庫 緑5-3)

ウイタ・セクスアリス (岩波文庫 緑 5-3)

哲学を職業とする金井湛君の幼い日の性の目覚めから、青年期をつづる。退屈だなあと思いながら読んでいると、これがじわじわおもしろくなる。寄宿舎で男色家に襲われそうになったとき「僕は嫌だ。」という言葉が出てきた。秋元康の「不協和音」はここからとったの?というわけではないだろう。成績の良い金井君はやがて独逸に洋行となるが、そこではかなりモテたらしい。「ヰタ「ウィタ」なのがちょっと残念だったが、22年発行の改版は読みやすかった。
読了日:12月26日 著者:森鴎外

 


藪の中

藪の中 

同じ物事を経験した人がどれほど違う感想を抱いているか。ことに事件に遭った夫婦の男女間の隔たりが大きく描かれているように感じた。
読了日:12月22日 著者:芥川龍之介

 


草枕 (新潮文庫)

「草枕」新潮文庫 

田舎を旅する画工。『三四郎』の美禰子を思わせる「那美さん」に翻弄されるが、三四郎ほど「うぶ」ではない。若いとき親の金を使って遊び、人妻とのっぴきならない関係になってひっそり暮らした後、家を出てしまった過去を想像してしまうが、書かれたのは『三四郎』より前らしい。「小説なんか初からしまいまで読む必要はないんです。けれども、どこを読んでも面白いのです」好きだわあ。
読了日:12月21日 著者:夏目漱石

 


漱石2時間ウォーキング漱石2時間ウォーキング

イラストがかわいい。松山も熊本も紹介されていた。
読了日:12月20日 著者:井上明久

 

 


学校では教えてくれない日本文学史 (PHP文庫)学校では教えてくれない日本文学史 (PHP文庫)

古事記からSFまで、駆け足だが日本文学をざっと見渡せる。自然主義、白樺派からの私小説の部分は共感できる点も多く、おもしろかった。
読了日:12月18日 著者:清水義範

 


門 (新潮文庫)

門 (新潮文庫)

崖下の借家にひっそりと棲む夫婦。訳ありの過去が少しずつ明かされる。『それから』のそれからなのだ。裏の大家の坂井は、三千代を娶らなかった代助であろう。「書物ほど修行の妨げになるものは無いようです」信仰をもてない知識人は淡々と元の生活に戻るが、夫の心のうちは妻には明かされない。世間から隠れ睦まじく暮らしていた夫婦に生じた溝は狭くとも深い。宗助はどこに向かうのだろう。
読了日:12月15日 著者:夏目漱石

 


体に悪い,悪くない,ホントはどっち?:体内に取り込む化学物質が気になったから論文1000本読んでみた

体に悪い、悪くない、ホントはどっち?

加工食品は体に悪いのか。日焼け止めには効果があるのか、あるいはその成分が害になるのか。コーヒーは心臓病のリスクを増やすの?減らすの?結論から言えば「どちらともいえない」。「問題を真に理解するためには、その美しさだけでなく、欠点を理解する方法も学ばねばならない」情報にあふれる今の時代、健康の問題だけでなく、立ち止まって本当にそうなのだろうかと考える必要がある。
読了日:12月12日 著者:ジョージ・ザイダン

 


図説 モネ「睡蓮」の世界図説 モネ「睡蓮」の世界

見ごたえありました。同じ構図の睡蓮の見比べなどができ、贅沢な造り。紙上でしか見られないのが残念です。「所在地不明」とか「盗難に遭い、行方不明」という作品もあるのですね。
読了日:12月04日 著者:安井裕雄

 


世界は文学でできている 対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義世界は文学でできている~対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義~

沼野充義がリービ英雄、平野啓一郎、ロバート・キャンベルなどとの対話を通して、文学について語る。亀山郁夫との回はさすがに濃ゆい。マヤコフスキーの死をめぐる謎、スターリン時代における創造的知識人の「二枚舌」など、文学を読む視点が変わる。3.11後に書かれた「おわりに」では、前後で書かれたものの意味が全く変わった例などが紹介されていた。「「あれほどのこと」の後の世界では、同じ言葉さえも違う意味を帯びてくるのが驚くばかりだ」
読了日:12月03日 著者:沼野充義

 


夏目家の糠みそ (PHP文庫)夏目家の糠みそ (PHP文庫)

夏目家に代々伝わるぬか床。文豪、漱石もこれで漬けたぬかみそを食べていたという。テレビ番組でも取り上げられたというが、「100年は続いている訳ですね」と言う嵐山光三郎に「いいえ、もっと。300年は続いていると思いますよ」と主張する筆者。銭湯通いなのに下女がいるとか、鏡子さんがしょっちゅう針仕事をしていたことなど、文豪の普段の暮らしもかいま見られる。父・松岡譲と母・筆子のなれそめ、その後の苦労など、興味深く読んだ。
読了日:12月01日 著者:半藤末利子

 

 

 

ぼちぼちやりますので、今年もよろしくお願いします!