7月に読んだ本のまとめです。

 


49冊のアンアン49冊のアンアン
1970年3月3日に創刊の『アンアン』。編集長以上の権限を持つアートディレクター・堀内誠一が次々と繰り出す紙面は刺激に満ちている。『アンアン』とんがっていたなあ。

読了日:07月31日 

 

 

左川ちか全集左川ちか全集
まったく知らない詩人さんでしたが、とてもよかった。
読了日:07月22日 

 


一〇〇年前の世界一周

一〇〇年前の世界一周

ドイツ人ワルデマール・アベグによる1905年(明治38年)の旅の写真。日本の写真がたくさんあって楽しい。こんな記録があったとは!
読了日:07月22日 


伊豆の旅 (中公文庫)伊豆の旅 (中公文庫)
小説7篇、随筆18篇。大正から昭和にかけての伊豆に関する文章をまとめたもの。温泉好きの著者の「温泉女景色」や「伊豆温泉記」が楽しい。『伊豆の踊子』も収録。どれもいい。
読了日:07月21日 著者:川端 康成

 


マティスとルオー 友情の手紙マティスとルオー 友情の手紙
ふたりが生涯にわたり、本当に仲がよかったことがわかる。それぞれの芸術を追求しながらも、互いを尊重し、家族も巻き込み交流していく貴重な関係。挿入される絵画からは、意外にも共通性も見出せたりして興味が尽きない。
読了日:07月21日 著者:アンリ・マティス,ジョルジュ・ルオー

 


子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉【「考える子どもに導く7つのステップ〜小学校までに親にできること」DL特典付き】子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉
「親の言うことを聞かせる言葉」から、「子どもの判断を認める言葉」に変え、子どもの自己肯定感を育て、自分の判断に責任を持ち、考える力を伸ばす。今は子育ての転換点だという。昭和の教育を受けてきた世代にとってはショックな内容かもしれない。若者の自己肯定感が低いと言われる日本。ほめるてやる気を促すのでは、自分の軸が育たず、承認欲求が強い人が育ってしまうのかも。「じょうず、天才だね!」もNG言葉。自分を育て直したい気持ち(笑)
読了日:07月20日 著者:天野ひかり

 


人間がいなくなった後の自然人間がいなくなった後の自然
人間がいなくなれば自然は回復する。チェルノブイリなどの例を見てもそれは明らかだろう。紛争などの緩衝地帯に多様な生物が育まれていることなど、戦争は確かに環境を破壊するが、自然界にとっては恩恵になることもあるというのが興味深い。自然を保護するという発想のなんと傲慢なことか。
読了日:07月20日 著者:カル・フリン

 


人は感情でモノを買う人は感情でモノを買う
モノを売るのではなく、顧客自身が分っていないレベルまで相手を理解する。「究極の理解」スキルを高める方法として、小説や映画で登場人物になり切る、街で見かけた人の背景を想像するなど。人の話を聞きながら、モヤモヤしたり、ジャッジしていると感じるなら、それは自分の中にある思い込みのせい。それがどこからきたのかまで遡って手放すことにより、相手の話を心から聞ける。というところでしょうか。
読了日:07月16日 著者:伊勢隆一郎

 


80歳でも脳が老化しない人がやっていること

80歳でも脳が老化しない人がやっていること

「仲がいい人が一人いるだけで認知機能も幸福度も上がる」「まじめな人は老化しやすい」言語機能は67歳がピークなど、興味深かった。若いお姉さんがいい匂いなのは25歳まで。老人脳にならないためのおススメの運動はウォーキング、筋トレより「ドリブル」。究極の運動は「ダンス」。趣味を持つ、犬を飼う(猫だとだめらしい)、予定がなくなった老後のスケジュール表の使い方など、参考になることが満載。「自分は若い」と本気で思うだけで、脳も体も若くなるらしい。身近にそういう高齢者がいるので、これはよくわかる。
読了日:07月12日 著者:西 剛志

 


武蔵野 (新潮文庫)武蔵野 (新潮文庫)
「大都会の生活の名残と田舎の生活の余波が落ちあって、緩やかにうずを巻いているよう」な武蔵野。渋谷が村だったころ、林から里に入り、また樺の林に座して読書する。楽しそうな独歩さん。
読了日:07月10日 著者:国木田 独歩

 


伝説の編集者 坂本一亀とその時代 (河出文庫)伝説の編集者 坂本一亀とその時代 (河出文庫)
伝説の編集者・坂本一亀の評伝。息子の龍一氏が「こわかったからまともに話せなかった」という父は、職場でも軍隊式で、困った上司だったらしい。野間宏『真空地帯』、椎名麟三『赤い孤独者』、三島由紀夫『仮面の告白』など、戦後文学の名作を次々と生み出したという。こういう編集者はもう現れないんだろうな。
読了日:07月09日 著者:田邊園子

 


正しく生きる: ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯正しく生きる: ケーズデンキ創業者・加藤馨の生涯
ケーズデンキ創業社長と一族の評伝。業界トップの経験が一度もなく、業界トップを目指したこともないケーズHDだが、いまなお業界上位に安定して位置しているという。従業員の健康と暮らしを第一に考え、従業員を一番大事にする会社をめざし、ノルマはなく、能力以上の負荷はかけない。店長でも週2日休めるというのは珍しいのではないか。「損して得を取れ」目先の利益にとらわれると間違った判断を下しがち。無理は続かないというが、無理をしないで会社を存続させるのは社員にとっても、顧客にとっても、株主にとっても大事なことだろう。
読了日:07月08日 著者:立石 泰則

 


インフォグラフィックス 世界人口図鑑インフォグラフィックス 世界人口図鑑
見た目が分かりやすい。「人口調査の歴史」「崇神天皇と初の戸口調査」などのコラムも楽しい。あとがきによると、執筆の動機は「戦争」の力の源泉になっている国民の人口について本を書きたいと思ったということ。「長い人類史の観点からすれば地上のすべての人が「移民」」という筆者のことばに共感する。疫病や飢餓は現代でも頻繁に生じている一方、現在人類に対して大きなリスクとなっているのは、がん・心臓疾患・糖尿病だという。殺人の犠牲者、自殺率なども世界的な視点でグラフで見られるので、恐怖心をあおる報道からも自由になれそう。
読了日:07月07日 著者:原島 広至


雪国 (角川文庫)雪国 (角川文庫)
好きでもないいいなずけのために芸者に出たという駒子の懸命に生きる姿を「徒労」と言いながら、いとおしさも感じているだろう島村。生きることはしょせん徒労なのだ。その中で丹精込めてつくられる麻の縮もまた徒労の所産。大切に扱えば50年から色あせないその布と人の身の添い馴れを比べているのがふとさみしい。天の河、宇宙を思えばさらに空しい人の一生。だから、生きていくしかないのだろう。
読了日:07月06日 著者:川端 康成

 


「その他の外国文学」の翻訳者「その他の外国文学」の翻訳者
どの言語の訳者の話も興味深い。「マヤ語」「バスク語」で現代文学が書かれているというのは全く知らなかった。「世界は英語圏の国だけではないし、北の果ての国のひともいろんなことを考えている、ということを発信していきたいですね」(ノルウェー語/青木順子さん)
読了日:07月05日 

 

 

関東大震災がつくった東京-首都直下地震へどう備えるか (中公選書 137)

関東大震災がつくった東京-首都直下地震へどう備えるか (中公選書 137)

関東大震災では、実は東京市よりも、横浜や千葉のほうが揺れが大きかったという。東京市全体の死亡者は6万8000人を数え、死亡率は3.3%。揺れそのものよりも火災によって亡くなった人が多かったのは、江戸時代からの超過密な町人地のまま、裏通りは江戸時代そのものだったからだという。帝都復興計画では災害に備えたはずが、今も東京は首都圏直下型地震におびえる。対策は必要だろうが、難しいだろうなとも思う。
読了日:07月04日 著者:武村 雅之

 


掌の小説 (新潮文庫)掌の小説 (新潮文庫)
きらっきらの短編集でした。どの作品もすばらしい。自伝のような作品あり、不思議なお話ありで飽きさせません。情景描写はあっと驚くことばの使い方、心理描写は鋭い。彼の書いた言語そのものでこの作品を読める幸せ。
読了日:07月03日 著者:川端 康成

 


背中の地図 金時鐘詩集: 金時鐘詩集背中の地図 金時鐘詩集: 金時鐘詩集
「いやむしろ、見やってはびこらす/過去だってあるのだ。/まさぐるからといって/あたりが暗いわけではさらさらない」(馴染んで吹かれて)日本語を「国語」と教えられ、「朝鮮語」から遠ざかり国を追われた詩人が、東北の災害に何を思うのか。「原子炉」「放射能」およそ詩情とはかけ離れた言葉が生々しい。
読了日:07月03日 著者:金 時鐘

 

 

フィリピンパブ嬢の社会学 (新潮新書)フィリピンパブ嬢の社会学(新潮新書)
修士論文にフィリピン人ホステスのことを取り上げようと、名古屋の繁華街にあるフィリピンパブに通ううち、知り合った女性と交際から結婚までしてしまう。そこまでしなくても書けただろうとは思うのだが、フィリピン愛にあふれる文章は読みやすく、たのしい。
読了日:07月02日 

 

 

 

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