2023年3月30日発行
講談社
ティラノサウルスと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、ティラノサウルス・レックス。
その意味は《暴君トカゲの王》
一族一種の巨大肉食恐竜で、主に北アメリカに住んでいたそうです。
今では、それ以外にもティラノサウルスの仲間とされる種が世界中に分布したことがわかっていて、2010年に出された『ティラノサウルス類の古生物学』という論文に登場するティラノサウルスの仲間は18種類。
その論文が発表されてからも研究は進んでいて、その成果をわかりやすく解説してくれるのが本書ということになるでしょうか。
恐竜が生きていた時代は「三畳紀」「ジュラ紀」「白亜紀」で構成され、約2億5190万年前から約6600万年前。
これを1年に換算すると、ティラノサウルスが登場するのは12月28日ごろになるそうです。
恐竜時代のほんの最後の期間にあらわれ、姿を消してしまったということですね。
ティラノサウルスは何を食べていたのか
肉食であることは間違いなく、「捕食者」だったと考えられているそうです。
ほかの恐竜の化石にティラノサウルスの噛み痕が見つかっていたり、胃の内容物から推測するそうで、興味深いです。
「格闘恐竜」とか「決闘恐竜」というのもはじめて知りました。
これは、恐竜が組み合ったまま何らかの事情でともに亡くなってしまい、そのまま化石で見つかるもので、非常に珍しいそうです。
アントニオ猪木とジャイアント馬場が組み合ったまま化石になっちゃった感じでしょうか。
ティラノサウルスの卵はどんな形で、どのくらいの大きさだったのか
骨格からすると、そう大きな卵を産むことはできないようですが、食物連鎖の最上位にある種の卵が小さかったとは考えにくいのだとか。
研究者たちの想像力と地道な調査によって、日々解明されているティラノサウルスの世界をかいま見ることができました。
お読みいただきありがとうございます。