久しぶりに読書メーターのまとめなど
長いです。
4月の読書メーター
読んだ本の数:34
読んだページ数:8667
方向音痴って、なおるんですか?
「最初の一歩を勘で歩きだす」筆者は方向音痴であるがゆえに知らない街に出かけるのがおっくうになっているという。方向音痴がなおるかというと、少しマシになった程度だろうか。しかし、「迷うのも楽しい」「迷ってもいいから気ままに歩いてみて」とのアドバイスで、街歩きが楽しくなったのはよかった。「東京スリバチ学会」会長の皆川さんと実際に歩く四谷が楽しい。
読了日:04月28日 著者:吉玉サキ
「普通」ってなんなのかな 自閉症の僕が案内するこの世界の歩き方
自閉症であろうが、そうでなかろうが、ひとりとして同じ人はいない。
それでも、定型発達者の中で自閉症の人が暮らすのはやっぱり大変そうだ。自分の頭の中の考えを私たちにわかるように説明してくれるまでには、さまざまな「学習」があったことと思う。ショッピングモール、大音量のコンサート、意味のない会話(世間話し)が苦手というのは共感できる。自閉症の特徴を持つ人はこれまでもいたのだろうし、歴史の中で大きな役割を果たしてきたのだとも思う。これからも彼らはわたしたちに新鮮な視点を示してくれる大切な人たちだ。
読了日:04月28日 著者:ジョリー・フレミング,リリック・ウィニック
サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福
再読。虚構が協力を可能にし、繁栄することに成功したというホモ・サピエンス。本筋とは関係ないかもしれないが、狩猟採集民族の豊かな暮らしの部分が印象に残った。1日、3~6時間働き、必要な食料を得て、あとは家族や友人と過ごす。実際はどうだったかわからないが、今よりもずっと自由?
読了日:04月27日 著者:ユヴァル・ノア・ハラリ
プチプラで「地震に強い部屋づくり」 (単行本)
「ものをしまうだけで生存確率は大幅に上がります」
いざというとき、死なない部屋づくり。「片づけ」とプチプラ利用で、インテリアも犠牲にしない部屋づくりのヒントが満載でした。備蓄はほとんどしていないのでちょっと意識しよう。
読了日:04月27日 著者:辻直美
スマホ失明
従来、成長期の終わりとともに止まると考えられていた近視の進行が、大人になっても止まらない人がいることがわかってきたという。もともと近視が多い日本人がスマホのような小さい箱を長時間見つめることによって、目の健康が脅かされる危険を説く。28歳で一念発起し医学部に入学し医師を志したという筆者が、それまで産業廃棄物の仕事をしていたという経歴も興味深い。とりあえず、スマホの使用時間を減らす。パソコンの文字設定は拡大しました。
読了日:04月26日 著者:川本 晃司
古典モノ語り
古典作品の中で「モノ」が登場する場面を取り上げ解説。築地(ついじ)や泔(ゆする)など、気にも留めていなかった「モノ」にまつわるお話は興味深い。特に牛車(ぎっしゃ)の項、清少納言がトラック野郎ばりに花で牛車を飾り、故藤原為光邸の前にとめたというくだりがおもしろかった。
読了日:04月26日 著者:山本 淳子
年収300万円FIRE 貯金ゼロから7年でセミリタイアする「お金の増やし方」
低金利が続く日本では預貯金だけで老後資産を形成できないので、株や投信への投資が必要。FIRE達成で大切なのは年収や投資のリターン以上に貯蓄率。保有資産の4%で生活できればFIREしても資産は減らない。早期リタイアして南の島で暮らすというのではなく、セミリタイアでそこそこの暮らし。(というかかなり貧しそう)。それでも、いつでも労働者から抜けられるという選択肢は魅力的。
読了日:04月25日 著者:山口 貴大(ライオン兄さん)
文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
中国の国全体が統一されていたのは、自然の障壁がさほどなく、地域の地理的結びつきが強かったからだという。しかし、そのことゆえに、早くから食料生産を始め、技術の分野でも世界をリードしていたにもかかわらず、ヨーロッパに後れを取ることになったというのは興味深かった。
読了日:04月24日 著者:ジャレド・ダイアモンド
江戸を知るー江戸学事始め
江戸東京博物館の館長を務めた竹内誠さんのエッセイや講演、対談などをまとめたもの。やさしい語り口で江戸の興味深い話を教えてくれる。上野の寛永寺は京都の比叡山延暦寺をまねていたことなど知らなかった。西に富士、東に筑波が望めた頃の江戸に思いをはせた。
読了日:04月23日 著者:竹内 誠
運が良くなるには、方法があります―自分もみんなも元気になる「宇宙の力」の使い方の感想
「深い呼吸は腰でする」「体を温めると、魂の波動も高まる」「毎日、楽しいことをして心のパワーを高くする」「事故、病気、怪我は、アンバランスのサイン」「怒りや批判は自分の霊的エネルギーを弱める」まあ、そうなんだと思います。
「魔法はあなたの心の中にある」
「できるだけ楽しい未来を想像」して毎日を過ごそう。
読了日:04月22日 著者:内野 久美子
マザーツリー 森に隠された「知性」をめぐる冒険
生育が早く市場価値を持つ木だけを植林し、そのほかの木は「皆伐」するという愚策をなんとかしようと、研究室に戻る20代の女性。彼女がつかんだ木と木の間のネットワークの証拠が林業の常識を変えていく。研究の成果を認めない権威者、森での危険な調査過程など、スリルもあり前のめりで読んだ。彼女自身の半生も盛り込まれる内容は詩のようでもあり、わたしにはセラピー効果もありました。
読了日:04月21日 著者:スザンヌ・シマード
文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)
再読。「白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」一人のニューギニア人が抱いた単純だが核心を突いた疑問。現代社会の不均衡を生み出したものは何だったのかという問いに答える。今読んでもおもしろい。
読了日:04月18日 著者:ジャレド・ダイアモンド
新書百冊(新潮新書)
2003年発行。巻末の100冊リストのほかに膨大な100冊以外も含む索引。読みたい本は確実に増える。
読了日:04月17日 著者:坪内祐三
文藝春秋 2023年 05 月号 [雑誌]
読書家81人による「私の人生を決めた本」は一気読み。角川春樹『巨万の富を築く13の条件』、中野信子『九十三年』『詳説十八史略』、尾身茂『アブラハムの生涯』が興味深かった。「岸田文雄×岡藤正広×中野信子」の対談を脳波を測定しながら行い、あとで中野が解説するのもおもしろかった。
読了日:04月17日 著者:
罰せられざる悪徳・読書 (みすずライブリー) (みすずライブラリー)
「読書の楽しみだけのために読書し、熱心にその楽しみを追い求める人間は例外的存在なのだ」初版本や稀覯本の蒐集、博識、研究、読むかわりにみずからペンを持って書くことといった「障害・困難・誘惑」をのりこえ、《理想的読者》の域に達する。「彼は一介の読者であることに満足し、自分の愛する本、いまのところほとんど人目を引かないが二十年後には有名になっているはずの本を、ひそかに、最良の友たちに推薦するだけで満足する」かっこいい。
読了日:04月17日 著者:ヴァレリー ラルボー
絵本の春
泉鏡花のおどろおどろしくも懐かしい日本語に金井田英津子さんの版画が見事にはまる。鏡花記念館の穴倉玉日さんの解説もよかった。
読了日:04月16日 著者:泉鏡花
人形作家 (中公文庫)
ブロ友さん紹介。「シモンにとって、人形を作る行為と、女装芸人をつとめることは、相対的な自己への被虐行為であったはずで、紅テントで狂い咲きのバラードを演じるのは、自己の肉体を犯された玩具に転化させる治療であり、犯された玩具を作ることは、人形のなかに壊れていく自己を見出そうという加虐であったろう」嵐山光三郎さんのまえがきの熱量がすごい。もちろん本文もおもしろいです。
読了日:04月14日 著者:四谷 シモン
実存主義とは何か
『嘔吐』がよくわからなかったので読んでみた。こちらは「クラブ・マントナン」で行われた講演とそれに続く討論で読みやすい。「人間はみずからつくるところのもの以外の何ものでもない」「人間はみずからについて責任をもつという場合(中略)全人類に対して責任をもつという意味である」「人はつねに『もしみんながそうしたらどうなるか』と自問すべき」「人間は自由そのものである」脚注が理解の助けになった。
読了日:04月14日 著者:Jean Paul Sartre
温泉天国 (ごきげん文藝)
池内紀、嵐山光三郎、吉川英治、高村光太郎、室生犀星、坂口安吾など、そうそうたるメンバーの温泉にまつわるエッセイのアンソロジー。岡本綺堂は「温泉雑記」まで怪談(笑)。武田百合子はうまいなあ。山下清の文章はやっぱり楽しい。みなさん、温泉だけにちょっと力が抜けている感じで、湯ったり読めます。
読了日:04月14日 著者:嵐山光三郎,荒俣宏,池内紀,池波正太郎,井伏鱒二,植村直己,岡本かの子,岡本綺堂,小川未明,角田光代,川端康成,川本三郎,北杜夫,斎藤茂太,坂口安吾,高村光太郎,武田百合子,太宰治,田辺聖子,種村季弘,田村隆一,田山花袋,つげ義春,平林たい子,松本英子,村上春樹,室生犀星,山下清,柳美里,横尾忠則,吉川英治,四谷シモン
浮浪児1945‐: 戦争が生んだ子供たち (新潮文庫)
10歳にもならない子どもが戦争で家を焼かれ、親を失い、食べ物にも事欠きさまよう。映像ではとてもじゃないけど直視できないような状況を描き出せるのはノンフィクションの独壇場だろう。それにしても東京大空襲、ひどくないですか?
読了日:04月14日 著者:石井 光太
1文字1円を10円に上げる 書く副業
1文字1円を10円にする。プロのライターの世界は厳しいです。「書く」と「考える」を分ける。目次を作ってから書く。「はじまり」と「おわり」は一緒に書くなどが参考になりました。雑誌や専門雑誌、新聞、自己啓発本を活用したネタ帳の作り方。「読者は読みたくて読んでるわけではない」「どちらかというと仕方なく読んでいる」忘れたくないですね。
読了日:04月13日 著者:日比野 新
そして誰もゆとらなくなった
好みではなかった。
読了日:04月13日 著者:朝井 リョウ
本当の自分に出会えば、病気は消えていく (単行本)
「「自分の人生」を生きていないとき、人は病気になる」そういうことは確かにあると思うけど、なんでも「気のせい」にするのもどうかな。「病気を治す」という言葉を使うと、病気が長引く。「~が欲しい」と言っていると、「欲しいもの」は手に入らない。「避けるのではなく、常に未来の目的に向かった言葉をつかう」よく言われることですね。
読了日:04月12日 著者:梯谷 幸司
房総を描いた作家たち
千葉県に生まれ育った作家ではなく、千葉県を小説・随筆などに描いた作家を取り上げ、その作家に関係する部分をピックアップして追ったもの。作家が描く海というと湘南というイメージだったが、芥川龍之介、森鴎外、林芙美子、山本有三など、千葉を舞台にした作品がたくさんある。初等科1年のときに潮干狩りを楽しんだ三島由紀夫のエピソードなど、興味深かった。
読了日:04月11日 著者:中谷 順子
無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記
巻末にご主人の談でもあるかと思ったが、唐突に終わる。余命を宣告されたとしても、死ぬときは突然だ。もうこの人はいないんだと思いながら読むのは、何とも言えない気持ちだった。
読了日:04月11日 著者:山本 文緒
死は存在しない ― 最先端量子科学が示す新たな仮説 (光文社新書)
宇宙のすべての出来事のすべての情報を、記録しているゼロ・ポイント・フィールド。そこには「肉体」が死滅した後も、我々が人生で抱いた「意識のすべての情報」が残る。さらに我々の「意識の情報」は「この宇宙に関するすべての情報」を学びながら変化し続ける。地獄もないし、自我も超越するらしいので、悪くないですが、筆者の妄想でしょう。やたら自著を宣伝してくるのと、「田坂塾」への入塾を進めてくるのがうさん臭いです。「引き寄せ」はあると思うので『運気を磨く』と『直観を磨く』は気になった。欲をかくと引っ掛かりそう(笑)
読了日:04月11日 著者:田坂広志
ブラタモリ 17 吉祥寺 田園調布 尾道 倉敷 高知
⑯がおもしろかったので、調子に乗って読んでみたが、知ってるところはそんなにおもしろくないということがわかった。
読了日:04月11日 著者:
ブラタモリ 16 富士山・三保松原 高野山 宝塚 有馬温泉
恥ずかしながら、〈鷹狩り〉というのが慣らした鷹をつかって獲物を取ることだというのをはじめて知った。(鷹を狩るのかと思っていた)宝塚、有馬温泉の成り立ちが興味深かった。
読了日:04月10日 著者:
世界の十大小説 下 (岩波文庫)
『ボヴァリー夫人』『モウビー・ディック』『嵐が丘』『カラマーゾフの兄弟』『戦争と平和』読んだことがある本の部分のほうが楽しく読めた。ドストエフスキーの作品中の女性が「いずれもヒステリーで、執念深くて、意地悪いのはポリーナ(スースロヴァ)がそうだったからである」というのはなるほどです。結びには〈世界十大小説〉の作家たちが集まる空想パーティー。モームの鋭い人物評があらわれていて、すこぶるおもしろい。
読了日:04月06日 著者:サマセット・モーム
心の傷を癒すということ (角川ソフィア文庫)
本書でも述べられていたが、「トラウマ」という言葉が一般に知られるようになったのは、阪神淡路大震災がきっかけだったと思う。被災者全員がある種の「震災ハイ」のような状況の中、自らも被災した精神科医の現場からの声は本当に貴重な記録。安医師のことも、被災地での精神科医の働きもまったく知らなかった。読んでよかった。
読了日:04月06日 著者:安 克昌
世界の十大小説 上 (岩波文庫)
『トム・ジョーンズ』
『高慢と偏見』
『赤と黒』
『ゴリオ爺さん』
『デイヴィッド・コパーフィールド』
サマセット・モームが「世界の十大小説」をリストアップし、作家と作品を解説。巻頭の「小説とは何か」も大変興味深い。
読了日:04月05日 著者:サマセット・モーム
カラマーゾフの兄弟 1 (岩波文庫)
おもしろい。フョードルもドミトリーもすごく変な人。米川訳で読みはじめてしまったが、言葉も古くないし、リズムが最高。脚注がうるさくないのもいい。
読了日:04月05日 著者:ドストエーフスキイ
読書案内―世界文学 (岩波文庫 赤 254-3)
「読書の習慣を身につけることは、人生のほとんどすべての不幸からあなたを守る、避難所ができることである」
イギリス文学からはデフォー、スウィフト、ヨーロッパ文学からはモンテーニュ、ゲーテ、プレヴォ―などを紹介。ウィットに富んだ辛口の批評がたまらない。「傑作であると、昔から多くの人びとの意見の一致を見ている書物」をみな一度はよんでいるということになっているが、「じじつはごく少数のひとしか読んでいないものである」というのはそのとおりだろう。絶版になっているのが残念。
読了日:04月04日 著者:サマセット・モーム
高校紛争 1969-1970 - 「闘争」の歴史と証言 (中公新書)の感想
生徒の真摯な思い、教師の戸惑い、当時の人たちの感情が伝わってきた。紛争を「非行」と同一視し、生活指導しようとした教師、あくまで生徒との信頼関係を大切にした学校との違いなども興味深く読んだ。「紛争」をきっかけに高校生の「政治活動」を禁止したことが、政治に無関心な国民を生み出しているかもしれないのは皮肉なことだ。
読了日:04月03日 著者:小林 哲夫
図書館の思い出ある?
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