2021年5月21日

交通新聞社

 

 

方向音痴は、グーグルマップを見ても最初の一歩をどちらに進むべきかわからない。

 

グーグルマップで目的地までの経路を検索すると、現在地から目的地までが青の点々で示されます。

 

それを見ても、目の前の道を右に進むのか左に進むのかがわからない。

 

なので、勘で進みますが、たいてい逆方向に歩きだしてます。

 

方向音痴の人なら、あるあるとうなずくことと思いますが、そうでない人にはまったく理解できないでしょう。

 

何を隠そう、わたしも方向音痴です。

 

筆者は、5年住んでいる近所でも迷うといいますが、わたしは10年以上住んだ自宅の周りをうろうろしたことがあります。

 

自宅のマンションが見えているにもかかわらずです!

 

本書は、方向音痴の吉玉さんが、その道のプロに話を聞きながら、方向音痴の克服を目指す試行錯誤の軌跡をつづるエッセイです。

 

まずは筆者がどのくらい方向音痴か、レベル確認です。

 

●地図をくるくる回してしまう

●「北が上じゃない地図」を見てもそのことに気づかない

●カーナビやアプリのナビ機能に酔う

●最初の一歩を勘で歩き出す

●ショッピングモールで同じ店にばかりたどり着く

●太陽を当てにする

●個室居酒屋でトイレから戻ってこられない

●東西南北ではなく前後左右で言ってほしい

●マップアプリに向かって怒る

●駐車場に停めた自分の車を探し出せない

●ゲーム内でも道に迷う

 

 

ちなみに、わたしが共感できなかったのは、「太陽を当てにする」だけでした。

 

「個室居酒屋で戻ってこられない」は自覚しているので、行きの道のりを意識的に覚えます。カラオケボックスでも、トイレから戻るのはちょっと難しい(笑)

 

 

話を聞く人は

 

・認知科学者・新垣紀子さん

・空想地図作家・今和泉隆行さん

・東京スリバチ学会会長・皆川典久さん

・地図研究家・今尾恵介さん

 

 

認知科学者の稲垣さんによると、吉玉さんは空間的なイメージの操作が苦手なのだとか。

地図アプリは勝手に動くから混乱するので、設定で固定するなどのアドバイスがありました。

 

 

東京スリバチ学会会長の皆川さんと歩く「四谷」は楽しいです。

暗渠あり、湧き水ありで、歩いた地図も載っているので、ぜひ今度、実際にお散歩したいと思います。

 

 

 

吉玉さんは、方向音痴なのでお出かけがおっくうになると書いてますが、わたしは全然そんなことなくて、迷っても迷ってもどこにでも出かけていきます。

 

ただ、帰ってきてから確認すると、ああ、こんな近くに行きたいところがあったのにとがっかりすることもしばしば。

 

最近は知らないところに行くと、何度もマップを確認するので、スマホのバッテリーが消耗するし、めんどくさいと思ってましたが、スマホを使う前は迷ってもずんずん歩いていたことを思い出しました。

 

 

それで、いろんな発見があって楽しかったことも。

 

 

便利になったようで、予定以外のことができなくなってかえって不自由になっていたのかも。

 

なんて、方向音痴克服とはまた別の発見があったりして、、、

 

 

さあ、大型連休

迷子の旅に出かけますか。

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございます。