2022年8月30日

扶桑社

 

 

 

国際レスキューナースって、はじめて聞いた言葉です。

筆者の辻直美さんは、レスキューの仕事を志して、看護師になりました。

 

阪神・淡路大震災で被災したあと、東京の聖路加病院の救急部に配属され、地下鉄サリン事件への対応にもあたったという経歴です。

 

これまで国内外、合わせて31回被災地に入り、過酷な状況、悲しい現場をたくさん見てきた筆者が被災者から毎回聞く言葉は、

 

「準備しておけばよかった」

 

そして、いつも「まだまだ備えが足りない」と実感するのだそうです。

 

本書では、いざというとき、死なない、ケガしないために、だれでもすぐにできる部屋づくりが紹介されています。

 

 

・腰より高い位置に重いものを置かない

・家具の重心を低くする

・玄関までの避難路を確保

・寝る前だけ片づける

・どこか1か所「安全地帯」をつくる

 

 

本に埋もれて死ねたら本望?

 

 

そ~んなことはないでしょう。

 

そうならないための対策として、

 

・本棚は倒れてもドアの開閉の障害にならない場所に配置する

・突っ張り棒や段ボール、ストッパー式の耐震板で棚の転倒を防ぐ

・大型本や辞典などの重い本を最下段に入れて重心を下げる

・すべての棚に滑り止めシートを敷き、本はできるだけ隙間ができないように詰めて収納する

 

 

4章では、「ものを増やさずに災害に備える」として、著者の備蓄品が紹介されています。

 

 

【大人1人2週間分】

水 50リットル

カセットコンロ3台

カセットボンベ30本

レトルトパスタソース20個

レトルトカレー10個

レトルトごはん30パック

パスタ500グラム 5袋

カップスープ10個

カップラーメン5個

米10キログラムなど

 

 

けっこう大量だけど、収納の仕方は写真つきで説明されていて、わかりやすいです。

 

 

この本が目指すのは、地震に強い部屋づくり。「片づけ」の本ではありませんが、「死なない部屋」づくりを進めていくと、必ず「片づけ」にいきつきます。

 

 

もともと「片づけられない人」だった筆者が、片づけに目覚めたのは、阪神・淡路大震災や、被災地での経験がきっかけだったそうです。

 

 

人間が誰からも奪われないでいられるのは、思い出と経験、知識だけ

 

 

天災は忘れたころにやってくるといいます。

ちょっと気の緩んだきょうこの頃、自分の備えを見直してもいいかなと思いました。

 

 

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございます。