21歳で、「最後の宮大工」と呼ばれた西岡常一氏の弟子となり、法隆寺三重塔、薬師寺西塔などの再建に携わった小川三夫さんは、1947年生まれの75歳。

 

全国から弟子を受け入れ、寺社建築の伝統を伝えています。

 

自身は、「西岡棟梁から手取り足取り教わったことは一度も」ない。「ただ、一度『かんな』を引いて見せ、かんなくずはこういうものだと言われたことがあっただけ」だそうです。

 

小川さんは「そのかんなくずを部屋の窓に貼り、それを見ながら自分でも同じく出せるように刃物を研ぎ、修行しました」

 

 

「人を『育てる』というのは大きな間違いで」、「必要なのは『育つ環境をつくる』ということだけ。上に立つ者は自分の仕事を見せつけ、弟子からああなりたいと思わせることです」と言います。

 

かんなもない飛鳥時代、巨木を運び、丸太をたたき割って法隆寺をつくった人々に思いをはせ、人の手と工夫によって材木を組み立てていくという、時代とは逆行するような技。

 

 

仕事だけの関係では、職人たちは言うことを聞いてくれない。

 

 

「弟子たちと同じ部屋の下で生活し、一緒に食事をする」「職場で顔を合わせるだけで、終わったらバラバラになるようでは難しい」という小川さんのもとには、仕事の後で職人たちがよく酒を飲みに来たそうです。

 

人と人とのつながりを大切にし、知恵を働かせ工夫する。

 

 

そんな昔ながらのやり方が、今回のWBCでの日本チームの活躍とも重なりました。

 

 

小川さんがお勧めの本として挙げているのは、池波正太郎の『男の作法』
​​​​​私は小川さん自身の本が読みたくなりました。

 

本日の夕刊には、〈気になるスポット〉として北九州空港2階の出発ロビーで無料の靴磨きをする人のことも取り上げられていました。

 

「靴磨き」のボランティアをするのは、石松禎己さん。

スターフライヤーの元社長です。

 

退任翌年の2021年から、恩返しのつもりで始めたそうですが、続けているうちに「常連」も生まれ、「私が日常の楽しみをいただいている」と、記事は紹介しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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