書店員などの職業を転々としながら、作家として大成したヘルマン・ヘッセ。

神学校を中退してからは学校には行かず、教養はもっぱら読書を通して得ていました。

 

 

「なぜ本を読むのか」「どんな本を読むべきか」

ヘッセによる読書について書かれた随想を集めたエッセイ集です。

 

私たちは書物をのべつまくなしに見境なく読んだり、あまりにも性急に、次から次へと度を越した速さで読むのではなく、受容能力のある都合のよい時間にゆっくりと楽しんで読まなくてはならない。

 

せかせかと休みなく読み、いたるところでつまみ食いをし、いつもただ最も刺激的なものと、精選されたものだけを得たいと望む人は、まもなく表現の様式と美しさを理解する感覚をだめにしてしまうであろう。

 

 

おそらく、〈のべつまくなしに見境なく〉読んでる私としては、ヘッセさんに叱られてる感じ(笑)

 

 

とはいえ、レクラム文庫のために書かれた読書案内「世界文学文庫」では、ヘッセの推奨する本のリストが挙げられていて、それだけでも私の残りの人生では読みきれそうにありません。

 

※レクラム文庫

1867年創刊のドイツの古典文庫で、岩波文庫はこれをモデルにしているそうです。

 

 

「友人や愛する人とつきあうように書物とつきあ」うこと、「各人が友人を選ぶときとまったく同様に、自分の欲求と愛に従って、自分でゆっくりと書物を集め」ること、ヘッセのさとしは示唆に富み、心に刻みたい言葉がたくさんあります。

 

書物に書きとめられたあらゆる時代の作家たちの思想と個性は、死者のものではなく、生きつづけている、あくまでも有機的な世界なのである。

 

 

新聞読む暇あったら本を読めとおっしゃるヘッセは、今なら、スマホ見る暇あったら本を読めと言いそうです。

 

 

 

2004年10月20日

草思社

 

 

あとがきが読みたくて文庫本も

2013年10月8日

草思社

 

 

 

 

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございます。