現代人は何かにつけて「やりすぎ」!

 

「ちょっと減らそう」とか、「昨日より少なめにしておこう」といった思考では、長年かけて自分に定着した習慣を変容させることは難しい。

 

思い切って「半分、減らす」くらいの意識を持つことが、本当の行動変容を実現してくれると、筆者は言います。

 

で、何を減らすか

 

「食事」を半分、減らす。

「つい食べすぎる」のはどうして?

①食べるスピードが速すぎる

②「ながら食い」している

③「学生食い」を続けている

 

人間は10代をピークとして、20代以降は基礎代謝も運動量も落ちていきます。

なので、今の自分に合わせて、だんだんと食べる量を減らしていくことが必要です。

 

若いときみたいに食べられなくなった

 

それが正解なんですね。

 

「はじめの三口」にまず集中

①まず目の前の料理を、じっくり観察する

②次に、どのおかずでもご飯でもいいので、一口、ゆっくりと口に入れ、これ以上できないというくらい咀嚼して食べる

 

最初の三口だけでもこのように食べることによって、最終的に食べる量が減ってくるそうです。

 

 

「消費」を半分、減らす。

買いたい衝動をクールダウン

身近になった「ネットショッピング」では、つい「ポチッと」購入ボタンを押してしまいがち。

「一晩寝かす」を鉄則にして、「明日、もう一度、考え直す」をマイ・ルールに

 

もうやってますか?

でもダメだって?

 

いいんですよ、お金がある人は使ってください(笑)

 

筆者が推奨しているのは「やらなくて済んだこと日記」

ふつう日記はやったことを書きますが、この日記では「今日買わなくて済んだこと」を書いていきます。

 

「やらなくて済んだ」ことの積み重ねは、「半分、減らして」身も心も軽やかに生きていくための確固たる道のりにほかならないとおっしゃいます。

 

「情報」を半分、減らす。

最近、筆者は30年前といまの渋谷のハチ公前の写真を見比べて、違和感を感じたそうです。

 

よく見ると、いまの写真では人々が下をスマホを見ていますが、30年前の写真では、みんな正面を向いているのだそうです。

 

この30年間で、私たちの「姿勢」は大きくゆがめられてしまったのですね。

 

現代人のスクリーンタイムは、1日平均4時間とも言われます。

 

『スマホ脳』の著者、アンディシュ・ハンセンは、「一日2時間を超えるスクリーンタイム(使用時間)は、うつのリスクを高める」と言っています。

 

つまり、半分、減らすのがちょうどいいというわけです。

 

 

◇◇◇

 

 

筆者は、臨済宗建長寺派林香寺の住職でもあり、精神科医・心療内科医でもあります。

 

臨床で出会う患者さんの症状の改善に禅やマインドフルネスの考え方が役立つということも紹介されます。

 

「「物」を半分、減らす。」という章では、断捨離や捨て過ぎにも、警鐘を鳴らします。

「捨てること」自体が快感となり、「捨てては、また買う」という無間地獄に陥る危険性も指摘されます。

 

何事もほどほどがよろしいようで。

 

 

2021年11月5日発行

三笠書房

 

 

 

 

お読みいただきありがとうございます。