孤独を愛し、現状に満足している女、アリシア(ティルダ・スウィントン)。
訪れたイスタンブールで、記念に買ったガラスの小瓶を洗っていると、ふたがはずれ、中から魔人(イドリス・エルバ)が飛び出してきます。
魔人は自由にしてくれたお礼に、願いを3つ叶えると言います。
魔人は遠い昔、ソロモン王によって小瓶に閉じ込められ、開けてくれた人の願いをかなえれば、魔法がとけて自由の身になることができるようです。
拾った人にとっても願いが叶い、魔人は自由になれる
まさにウインウインの関係です。
ところが、話はそう単純ではなく、魔人はこれまで何度かチャンスがありながら、恩人の願いをかなえることにことごとく失敗。
その人生が話されるのですが、映像はファンタジーなのにしんみりなのです。
その後、アリシアは魔人を連れて、ロンドンの自宅へ帰宅。
都会の喧騒は、魔人の精神と肉体を消耗させていきます。
そして、静かなラスト
大きな感動もないのですが、タイトルクレジットが出るとなぜか涙が……
そうか
ここで音楽がとても効果的に使われていることに気づきます。
映画の前半、ほぼ音楽なしで話が進行するんですね。
慌ただしく場面が変わり、あっといわせる騒がしい映画へのアンチテーゼのようにも感じます。
魔人の孤独とアリシアの孤独
「人はだれかに認識されなければ存在しないのと同じだ」
そんなふうなことを魔人が言ってたなあ
お読みいただきありがとうございます。