2021年8月30日、米軍がアフガニスタンから撤退したというニュースを聞いたとき、米軍ってアフガニスタンにいたんだ、ぐらいにしか感じませんでした。
2001年10月から、アフガニスタンでは戦争が行われていたんですね。
この本は、作戦に加わった当事者からのインタビューと、当時の国防長官・ラムズフェルドのメモなどをもとに、なぜアフタニスタンでの戦争が長引いたのか、なぜターリバーンの勝利に終わったのか、失敗の原因を明らかにするものです。
この戦争を始めた目的として、9.11テロの首謀者の拘束があったと思うのですが、その機会を逸しながら、事実を隠していたこと、現実は泥沼化していたのに、国民にはうまくいっていると発表していたことなどが明かされます。
アメリカによるアフガニスタンの「国造り」が失敗したのは、アメリカ人がアフガニスタンの国民性も文化も知ろうともしなかったこと、西欧民主主義のやり方をそのまま受け入れさせようとしたことにあることもわかります。
ターリバーンは壊滅したと思い込み、手を緩めるうちに、前よりも強力になってしまった。
読んでいると、素人の私でも、なんで?と感じるのです。
戦時ですから、何もかも報道するというわけにはいかないでしょうけど、明らかに自軍のミスを国民から隠してしまった。
それ以上に、その軍事行動のお粗末さに戦慄します。
2022年6月24日
岩波書店
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