みなさま、あけましておめでとうございます。

昨年中は大変お世話になりました。

本年もよろしくお願いいたします。

 

 

12月の読書メーター
読んだ本の数:18
読んだページ数:4542

 

 

統一教会 何が問題なのか (文春新書 1394)何が問題なのか (文春新書)
「統一教会」何がそんなに悪いの?と思って手に取った。文春の記事をまとめたもののようだが、寄附はノルマ制で、しなくてはならないように仕向けられる。合同結婚式で韓国へ渡った日本人女性は、嫁の来手がいない田舎に嫁がされ、極貧生活を味わっている。「日本はエバの国」、姦淫の原罪により、韓国に尽くさなければならないということで、多額の寄附は韓国に送金されている。この「日本はエバの国」という思想は、日本人信者には語られない。なるほど独特だ。
読了日:12月30日 著者:文藝春秋編


四季報を100冊読んでわかった投資の極意

四季報を100冊読んでわかった投資の極意

「四季報をまじめに読むと儲かる」から、リーマンショックを経て「金融は虚業である」と思い始めて、投資の本質について考えるようになった筆者。投資とは、親が子どもの成長と健康を願うように、「会社」の成長を願ってするもの。「儲けようと思って行ったことで儲かった人なんかみたことない」「勝ちを求めれば破滅の要素をはらんでいる」などの言葉を引用しつつ、日本の将来のために日本企業に投資しましょう、正しい判断をするために知識を身につけましょうと。
読了日:12月29日 著者:渡部 清二

 


同調圧力のトリセツ (小学館新書 442)同調圧力のトリセツ(小学館新書)

脳科学と演劇のコラボを楽しく読むことができました。演劇のワークショップをやるとき、30人を超えるとその集団は攻撃的になるとか、運動神経のいい人は、脳内のイメージの体と実際のリアルな体が一致しているという、鴻上さんの話、遺伝的に依存的に過ごしたいというタイプの人がいることがわかっていて、人の言うことを聞く方が気持ちいいという人が、なぜかマジョリティだという中野さんの話が興味深かった。
読了日:12月28日 著者:鴻上 尚史,中野 信子

 


マルカの長い旅マルカの長い旅

戦争中のお話だけど、レイシズム、ジェンダー、「母親」とは何か、見た目がかわいくないと生き延びられないのかなど、現代でも問題となっていることが扱われている。ドイツで生まれた筆者の葛藤でもあるのだろう。答えは与えられない。読み終わってからもいろいろ考えさせられる。
読了日:12月26日 著者:ミリヤム・プレスラー

 


日本の合戦 解剖図鑑日本の合戦 解剖図鑑

「白村江の戦」から「西南戦争」まで、一つの戦を見開きで解説。当然、物足りない部分もあるが、コンパクトにまとめられていてわかりやすい。コラムも興味深かった。
読了日:12月25日 著者:


1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました

億万長者の余暇の過ごし方は「税務の専門家にアドバイスを受ける」!自宅の芝刈り、配管工事、納税申告などは資産の少ない人ほど、自分でする傾向がある。1,努力、誠実、仕事への熱意。3,多少の経済的リスクはとる。4,ユニークで愛着のある仕事を選ぶ。多くの億万長者のライフスタイルが「安上り」なのは、主に家族や友人との交流を楽しみ、それにはあまり費用がかからないからである。純資産が「期待資産額」=「年齢×年収÷10」を上回っていれば、金持ちだそうだ。
読了日:12月22日 著者:トマス・J・スタンリー

 


仏教の大東亜戦争 (文春新書 1365)仏教の大東亜戦争 (文春新書)

僧侶でジャーナリストでもある筆者が、「近代の戦争に仏教が積極的に関わってきた」という史実を示すものだが、意外ではなかった。時の政府にすり寄り、存続を図る宗教。それを利用する政治。やってることは今も変わらない。
読了日:12月21日 著者:鵜飼 秀徳

 


悪魔の傾聴 会話も人間関係も思いのままに操る悪魔の傾聴

人と会話するあらゆる場面で絶対にやってはいけないこと。●否定する。●比較する。●自分の話をする。内容はいわゆる「傾聴本」ですが、著者の経歴のせいか、提示されるサンプルが独特で、タイトルと相まって禁断のスキルという雰囲気を醸しています。「誰でもできるので大丈夫です。安心してください」とのことですが、大変そうなのは、3章「欲望の断捨離と心のセンタリング」でしょうか。悪用されると危険なテクニックではあると思いますので、知っておいて損はないでしょう。
読了日:12月20日 著者:中村 淳彦

 


女を書けない文豪たち イタリア人が偏愛する日本近現代文学女を書けない文豪たち イタリア人が偏愛する日本近現代文学 (角川書店単行本)

『平安女子は~』に続くイタリア人女子の文学エッセイのテーマは近現代文学。森鴎外は「うじうじ」、徳富蘆花は「マザコン」、田山花袋は「妄想オジサン」。「お嬢さん」の気持ちが語られない『こころ』、女の立場で語っているつもりの『ヴィヨンの妻』。遠藤周作に至っては『女を・棄てた・遠藤周作』です。ここで、有吉佐和子の『悪女について』を持ってくるところがまたすごい。文豪愛にあふれる快書です。
読了日:12月20日 著者:イザベラ・ディオニシオ


82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)82年生まれ、キム・ジヨン

望まれるのは男子の誕生。お手伝いは女の子だけ。一昔前の日本もそうだったんだろうなあなんて読んでると、就職、会社での出来事などが出てきて、これは、日本も今まさにそうなのではないかと愕然とする。自衛隊でのセクハラ事件など、時代が変わっても意識はなかなか変わらない。好きな女の子をついいじめちゃう男の子が登場するが、そういう男子は日韓にしかいないのか?「好きな女の子をいじめちゃいけません」と教えれば済む話なのか?システムだけでどうにかなる問題じゃないと思う。
読了日:12月19日 著者:チョ・ナムジュ

 


韓国文学の中心にあるもの韓国文学の中心にあるもの

文学からこんなにも多くのことが学べるのかと驚いた。朝鮮戦争、光州事件、済州島四・三事件、知らないことばかりだった。2014年に起きたセウォル号事件では、亡くならなくてもいい人たちが犠牲になったことを知った。それは梨泰院での悲劇にもつながっているのだろう。韓国文学にはまったく興味がなかったが、いいブックガイドに出会えた。
読了日:12月17日 著者:斎藤 真理子

 


世界のエリートはなぜ歩きながら本を読むのか?世界のエリートはなぜ歩きながら本を読むのか?

ビジネスマンが「運動」「食事」で体をつくることは、いまや常識だと思うが、「座禅」の部分がおもしろかった。朝起きて10分、夜寝る前に10分。「無になろうと苦悩苦闘する自分、それが「われ」」「自己顕示欲が強いわがままな性格の割に「われ」を意識していなかった」師匠によると「それが最も大事なこと」「無なんてなれるはずもない」「われを忘れている人がどれだけ多いか」とのこと。「われ」を忘れないようにというのは覚えておきたい。
読了日:12月17日 著者:田村 耕太郎

 


かくかくしかじか コミック 全5巻完結セット (愛蔵版コミックス)かくかくしかじか コミック 全5巻完結セット (愛蔵版コミックス)

美大に行って在学中にマンガ家デビューという夢を抱いた高校生のアキ子。美大受験のために紹介された絵画教室の先生は、超スパルタだった。熱く、どこまでも真っすぐな日高先生に、自分はダメダメだったと罪悪感いっぱいのアキ子だが、そのこと自体、東村さんがやっぱり熱い魂の持ち主だった証拠ではないか。好きな場面は、西村君が「先生がさばいたカツオが一番おいしかった」というところ。泣いたのは、今ちゃんが、先生に最後に言われたという「描け」。
読了日:12月15日 著者:東村 アキコ

 


私の「歌舞伎座」ものがたり (朝日新書)私の「歌舞伎座」ものがたり (朝日新書)

歌舞伎の伝統を支えたのは襲名と追善。襲名の根本は天皇制の思想によるというのは興味深い。皇太子から天皇になる時点で、天照皇大神の魂を身につけて同一人格になる。百二十五人はたった一人の存在なんだそうです。それが歌舞伎界にも及び、初代から今まで、一つの人格として芸を継ぐ。渡部保さんの回想で再現される名舞台の様子など、臨場感あふれる内容です。
読了日:12月10日 著者:渡辺 保

 


スピノザ――読む人の肖像 (岩波新書 新赤版)スピノザ 読む人の肖像 (岩波新書)

『エチカ』の部分は難解でしたが、間に『神学・政治論』を挟んでくれたので何とかついていけたという感じです。未邦訳の『ヘブライ語文法綱要』というのも気になりました。
読了日:12月09日 著者:國分 功一郎

 


傷を愛せるか 増補新版 (ちくま文庫 み-37-1)

傷を愛せるか 増補新版 (ちくま文庫 み-37-1)

トラウマ研究の第一人者で、臨床も行う宮地さんによる、心に沁みるエッセイ。時々読み返したい。
読了日:12月05日 著者:宮地 尚子

 


ドーパミン中毒(新潮新書)ドーパミン中毒(新潮新書)

食べ物、ニュース、ギャンブル、買い物、ゲーム、YouTube、ツイッター。ドーパミンを過剰に分泌させるものに囲まれる現代。筆者の元を訪れる依存症患者の例から、解放の道を探る。鍵は「マインドフルネス」「散歩」「正直さ」など。「意志は人間の無限の資源ではない。むしろ、(中略)たくさん使えば疲れるものなのだ」
読了日:12月03日 著者:アンナ・レンブケ

 


自分を変えるノート術 (ASUKA BUSINESS)

自分を変えるノート術

まずはカフェで30分。一人の時間を作って、頭の中にあることを全部ノートに書き出す。①究極の目的。②悩んでいること。③アイディア、企画。できれば1日~数日。筆者は1か月の一人合宿を実行したという。「自分との約束を守るのは、他人との約束を守るより重要です。そこから、人生が変わります」〈トピック案〉も参考になった。
読了日:12月01日 著者:安田 修


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