高校生の鈴芽は、東日本大震災で肉親を亡くしたらしい。
叔母の環に引き取られて、今は九州・宮崎で暮らしています。
冒頭、説明臭いセリフなしで、これだけのことがわかるのはすばらしいです。
学校へ向かう途中に、「扉」を探しているという草太と出会ったことから、冒険が始まります。
ダイジンという名の謎の猫を追って、フェリーで愛媛へ。
宮崎からのフェリーは、乗ったことがあるので、懐かしいです。
そして舞台は、神戸から東京へ。
今回、描かれるのはお茶の水です。
ニコライ堂があるのがわかります。
風景がリアルというのは、新海監督の真骨頂です。
妥協を許さない描写。
東京には草太のアパートもあるのですが、そこに置かれている小道具まで、手抜きなしです。
ここからは、草太の友人・芹澤の車で、一気に東北を目指します。
車の中で彼がかける音楽は「ルージュの伝言」「SWEET MEMORIES」「夢の中へ」など。
大学生の芹澤、どういう音楽の趣味?と思いますが、この選曲にも意味がありそうです。
芹澤君の声を演じるのは、『君の名は。』の神木隆之介
叔母の環を深津絵里
鈴芽役の原菜乃華さんは、『罪の声』でも、ぐっとくる演技をしていました。
鈴芽が、神戸でお世話になる、スナック「ばぁばぁ」のママに伊藤沙莉
キャスティングにもこだわりを感じます。
人がそのまま出てくることによる生々しさから逃れ、純粋にお話を楽しめるのが、アニメのよさでもあり、物足りなさでもあるんだと思います。
今にも本物の人間が飛び出してきそうなリアルな画面。
一度では見逃してしまう部分があるから、もうあと何回か、観たいと思ってしまう。
そんな魅力があります。
やっぱり新海監督は劇場で観たいですね。
また、音楽がいいんだから。
十明さんの声がすてきです。
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