ストーリー
離婚した里枝(安藤サクラ)は、実家の文具店を手伝いながら、息子の悠人を育てていた。
ある雨の日、文具店を訪れた大祐(窪田正孝)は、その後、よく来店するようになり、やがてふたりは結婚。女の子も生まれ、幸せな生活を送っていた。
そんなある日、大祐が不慮の事故で亡くなる。
訪れた大祐の兄は、遺影を見て、自分の弟とは別人だという。
亡くなった夫は、一体だれだったのか。
里枝に相談された弁護士の城戸(妻夫木聡)は、「ある男X」の身元を調べはじめる。
重い過去を持ちながら、芯の強いお母さんを演じる安藤サクラは、安定した演技です。
過去に何かあったんだろうなという影を漂わせながら、無口で、優しい大祐を窪田正孝が好演。
だんだんと明らかになる「ある男X」の正体
ミステリーの要素もありながら、「本当のその人」って何だろうという問題も突きつけます。
Xの捜索にのめり込んでいく弁護士の城戸にも、消したい過去があり、向き合わなくてはいけない現実の問題もありました。
Xの正体がわかり、いい感じで終わるのかと思わせておいて、微妙に後味の悪いラスト。
やっぱり主役は妻夫木かいっ!
それはそれでよかったわ、という展開です。
隠したい出自、消してしまいたい過去
人にはいろいろあるものです。
それをなかったことにするのか、その延長線上に今の自分があると認めて生きるのか
それも人それぞれなんでしょう
山口美也子さんが安藤サクラの母親役で出演。
城戸の妻・香織役の真木よう子も、お嬢さん育ちの奥さんを好演しています。
ちょっとだけ出てくるでんでんさんが、すごい存在感で、私が泣いたのは、そのシーンだけでした。
原作も読んでみました。
映画は映画でよかったけど、本はまた味わい深いです。
お読みいただきありがとうございました。