キモイ・キモイも、好きのうち?
「黒くてツヤツヤ」「動きが速い」
ゴキブリの気持ち悪さはこのへんにあるでしょうか。
筆者は昆虫館職員として働くかたわら、ゴキブリの研究を行っています。
全国各地に出かけてゴキブリを採集し、持ち帰って飼育するその数は120種、数万匹。
嫌いな人はこのまえがきだけでダメでしょうか。
好きな人があまりいないゴキブリですが、その理由は案外、あとから作られたイメージなのでは?と筆者は言います。
「ゴキブリは昆虫ですか?」と質問を受けることもあるそうです。
もちろんれっきとした昆虫、実はカマキリの親戚なんだそうです。
(最初、仲間と書きましたが直しました)
家に出る子はごくごく一部で、家に来ない子もたくさんいらっしゃいます。
世界には4600種以上、日本では64種ともいわれ、実際はもっとたくさんいて、発見されていない種もありそうです。
都市伝説
「1匹いたら100匹いる」とよく言われますが、「そうとも限らない」というのが研究者の答えです。
白や緑のゴキブリ
美しいゴキブリ
「ゴキブリのチャームポイントは目」など、少し知るだけでもこの虫を見る目が変わります。
大体、害虫といいますが、それは人間の勝手な考えで、この傲慢ぶりは反省してもいいかも。
もしゴキブリのことが苦手なのであれば、ぜひとも「なぜ嫌いなのか」と考えてみてほしいと思います。頭の中で、実際以上に嫌悪感を膨らませてはいないでしょうか?イメージの中のゴキブリではない、ありのままのゴキブリを見つめてみると、彼らと付き合っていく光明が見えるかもしれません。
7つの白い模様があるテントウムシみたいな「ドミノゴキブリ」
血行を良くする漢方薬になる「シナゴキブリ」
世界のゴキブリも紹介されますが、全部イラストなので苦手な人も大丈夫だと思います。
本書に続いて、同じ筆者で『ゴキブリハンドブック』というのも出されてますが、これはリアルな写真満載で、もの好き以外は避けた方が無難です。
採取方法や飼育方法、標本の作り方など、具体的で詳しいです。
お読みいただきありがとうございます。